PFAS(有機フッ素化合物)とは?家庭でできる対処法を解説

コラム

私たちの生活に密接にかかわっているのに、あまり知られていない化学物質。それが「PFAS(ピーファス)」です。
この記事では、PFASについての基本的な知識から健康への影響、そして家庭でできる対処法までを解説しています。
PFASについていまいちよくわからないという人は、こちらの記事を読んで正しい知識身につけていきましょう。

PFASとは?

PFASとは炭素とフッ素の結合からなる人工的な化学物質で、その種類は1万種類以上と言われています。耐熱性・耐水性・耐油性に優れ、1940年代から多くの製品に使用されてきました。
PFASの中でもPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)は広く使用されていましたが、自然界での分解が極めて困難で蓄積しやすいなどの理由から健康への影響が懸念されるようになります。その結果、2009年以降は国際的に規制が進み日本でも製造・輸入などが原則禁止されましたが、分解されにくい性質のため現在も河川などの環境中に残っています。そのため、水道水などで国が定めた基準値を超えて検出されることがあり、近年たびたび問題となっています。

PFASによる身体への影響

PFASが過度に体内に蓄積した場合、免疫システム・コレステロール・肝臓・腎臓がん・精巣がん・甲状腺ホルモンなどへの影響が懸念されています。しかし現時点では、どの程度の量や濃度がどのように健康に作用するのかは明らかになっていません。
体内に蓄積したPFASは永遠に身体の中に残り続けるわけではく、ゆっくりと体外へ排出されることがわかっています。そのため新たな摂取量を減らすことができれば、体内濃度を低下させることが可能です。とはいえ全く摂取しなかった場合で半減するまでにPFOSは約5年、PFOAは約3年かかると言われるように、排出までには長い年月がかかってしまいます。

PFASが含まれている製品

PFASは、フライパンなどの調理器具・ハンバーガーなどの包み紙・消火剤・防水服など多くの製品に使用されています。ただし現在販売されているものには、健康被害が懸念されているPFOS/PFOAの使用はされていません。

PFASが水道水に混ざっている3つの原因

水道水にPFASが混入する原因には以下のもがあります。
1. 工場からの排水:製造過程でPFASを使用する工場からの排水が地下水や河川を汚染する主な原因のひとつです。
2. 消化活動:PFASを含む消火剤を使用することで、土壌や地下水が汚染されるケースがあります。
3. 埋立地からの浸出:PFASを含む製品を廃棄した埋立地からの浸出で地下水が汚染されることがあります。

家庭で簡単にできるPFAS対策は浄水器

各自治体でPFAS対策はされていますが、本当に大丈夫なのかと気になる人もいると思います。その場合には浄水器を使用することがおすすめです。
 活性炭フィルター:活性炭はPFASを吸着しある程度の除去が可能です。しかし、一部除去率が低いPFASがあります。
 逆浸透膜(RO)フィルター:1nm未満の小さな穴のフィルターでPFASを除去できるため、高い効果が期待できます。
 イオン交換樹脂:水中のPFAS分子を樹脂に吸着して除去しますが、他の物質があると除去効率が低下します。活性炭フィルター・逆浸透膜(RO)フィルターと組み合わせての使用が推奨されています。
なお、浄水器を使用する際には以下のことに注意しましょう。
 信頼できる認証機関の認証を受けている浄水器を購入する:NSFインターナショナルやJWPA(日本水道浄水器協会)などで評価されている製品かを確認して購入しましょう。
 フィルターの交換時期を守る:いくら除去率が高い浄水器でも、フィルターの交換時期を守らなければ効果は発揮できません。そのため、決められた交換時期を守って使用しましょう。
 製品の仕様でPFAS除去性能を確認する:浄水器の種類によってはPFAS除去の効果がないものもありますので、購入前にはあらかじめ仕様を確認しましょう。

まとめ

PFASフリーの製品を選んだり浄水器を使用したりして、可能な限り摂取を減らすことで体内に蓄積する量を減らせます。
PFASの対策を行うのであれば、まずは正しい情報を知ったうえで対策をとり、健康への不安を取り除くようにしていきましょう。

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