心疾患は日本人の死因ランキングトップレベル!【超音波検査】
超高齢化社会に突入した現在の日本では、年間死亡者数は年々増加しています。
その中でリスクが高い死亡原因として警戒されているのが「悪性新生物」「心疾患」「肺炎」「脳血管疾患」などの病気です。
死因の順位2位の心疾患と4位の脳血管疾患は関連性が強いので、循環器系の病気は日本人の死因トップを独走する状態の「悪性新生物」と同等であるとも評されているのです。
長寿命時代を健康に生き抜くために、ぜひ血管の健康状態を確認し、すこしでも長く健康に自立した生活を営む努力を始めていただきたいと思います。
血管疾患と心疾患、脳血管疾患
・心疾患と脳血管疾患は血管疾患のひとつ
心臓と血管、リンパ 管は全身に体液を循環する一連の輸送機関です。
脳に張り巡らされている細い脳血管も当然そのひとつで、心疾患、脳血管疾患はいずれも血管疾患の一種というわけです。
心臓の筋肉に栄養を供給する冠動脈が閉塞すると、高い確率で不可逆的な細胞の変性が起こります。
・心筋細胞は「不可逆的」変化で死に至る
心疾患で見られる細胞の変性は、動脈硬化の度合いによって「不可逆的」であるか「可逆的」であるかが分かれます。
動脈硬化が重度に至って閉塞状態にある場合、心筋細胞は壊死して不可逆的な変性、つまり心臓が循環を維持できない状態となります。
これが心不全の状態です。死の危険性もあるため、胸の痛みや息切れ、悪心などがある方は放置せず、早めに医療機関で相談するようにしましょう。
心疾患の検査と人間ドック
・心疾患でおすすめの検査
動脈硬化が起こっている血管は弾力性を失い、もろくなっています。
負担をかける検査を避け、なるべく非侵襲性のもの、なるべく血管に負担をかけないものを選ぶ必要があります。
おすすめなのは心エコー検査や頸動脈エコー検査です。
エコーは超音波のことで、超音波を発する端子を首などにあてがい、超音波の波形を解析して可視化する画像検査です。
短いスパンで血管の健康状態を確認するような方には特に有用な検査項目ですので、ぜひ覚えておいてください。
・超音波検査は人間ドックで利用したい
動脈硬化は頸動脈で最も顕著に変形が現れやすいとされています。
そのため頸動脈エコー検査が全身の血管状態を測る手がかりとして普及しているのですが、下肢静脈瘤などがある方には各部位それぞれの観察も必要ですよね。
また、心電図やCTスキャン(単純CTと造影剤使用のCT)も必要になるケースもあります。
エコー検査は即時性や非侵襲性において非常に優れていますが、骨格などに隠れた部分を観察しにくい特性を持つためです。
検査を単独でひとつひとつ受けると待ち時間や通院の手間が生じて負担が大きくなりますから、人間ドックで一度にまとめて受診してしまうことをぜひ検討していただきたいと思います。
人間ドックは検査のセット受診で比較的費用を抑えられるうえ、状況に応じて病理診断まで の流れで受けられる唯一の仕組みです。
病気が確定すれば検査費用も保険が適用されますので、リスクを抱えていらっしゃる方はお近くの医療機関でお気軽にご相談ください。
すべては自分自身のために。人生を最後まで謳歌したいと望むなら、健康でいられる時間を延伸する工夫をしていきましょう。