血栓症はなぜ怖い? 血栓症のリスクを知ろう
人間の身体には環境に合わせて働きを調整する適応力が備わっています。
しかし、別の臓器が代用できない部位に障害が起こった場合には、全身の機能に 致命的なダメージを負うケースが少なくありません。
例えば、循環器系の病気です。
血管が詰まる血栓症については命を脅かす可能性が高いので、血管の健康状態をチェックしたことがない方は病院で検査を受けてみることをおすすめします。
今回は、血栓症のリスクについてご紹介いたします。
血栓症のリスク
・血栓症とは
血管内に血栓 ができて血流を阻害している状態のことを血栓症と言います。
動脈硬化では血管の内径が徐々に狭くなっていき、症状が悪化すると血管壁にプラークと呼ばれる余分なコレステロールから成るこぶが形成されます。
プラークが破れると、血栓 ができて血管をふさいでしまうので、早急な処置が必要です。
頸動脈などで生じた血栓が血流に乗って移動し、遠位の血管をふさいでしまう症例がよく知られています。
血管は場所によって直径が異なりますが、血管が太い場所でできた血液の塊は移動先の細い血管を通り抜けられないのです。
なお、血栓は短時間で生じる恐れもあるので注意してください。
・血栓症のなかで最も有名な病名
血栓症が引き起こす病名のなかで最もよく知られているのが「心筋梗塞」などの心疾患でしょう。
その次に「脳梗塞」などの脳血管疾患が続きます。いずれも日本人の死因ランキングで毎年上位に名を連ねる危険な病気です。
平成29年の政府統計では心疾患が第2位、脳血管疾患が第4位となっています。
航空機をよく利用する方には「エコノミークラス症候群(ロングフライト症候群)」も有名なようです。
頸動脈の検査
血栓症のための検査
・血管の健康状態を調べるには超音波検査を
血栓症は症状が急激に進むうえ致死率も高いので、予防的な意味で定期的に検査を受けておくべきです。
血栓の有無を調べるには、画像検査が便利です。
最も簡単に血管の画像診断を受けられる検査項目として「超音波(エコー)検査」が推奨されています。
患部に超音波を当てて波形を読み取り、画像化する検査です。
糖尿病や高血圧などの既往歴が有る方は血栓症のリスクが高いので定期的に検査を行う必要があります。
超音波検査なら超音波を発する端子(プローブ )を調べたい箇所に当てるだけなので、検査に際して生じる時間的、身体的負担を限りなく軽減できるでしょう。
・人間ドックで定期検査を受けよう
超音波検査は予防のために受診すると、単独でも5,000~10,000円、検査する部位によってはそれ以上かかります。
健康状態を総合的に確認するためには血液検査や尿検査、心電図検査などを体調に応じて組み合わせて受けることになるので、ひとつひとつを単独で受診すると費用や時間的負担が大きくなってしまいます。
ある程度決まった内容で検査を定期的に受ける場合には、人間ドックという仕組みを利用してみてはいかがでしょうか。
人間ドックは個別に選んだ検査項目をセットにして一度に受け、結果によっては確定診断までを受診できる唯一の方法です。
血栓症の兆候として胸痛、息切れ、めまい、吐き気などがあります。
あまり水分を取らない方、ストレスが多い方、喫煙習慣がある方、お酒が好きな方、高齢の方は自覚がなくても血管内にプラーク が生じている可能性があるので、少なくとも2年に1回は人間ドックを受けておくようにしましょう。