超音波検査は「水分を含んだ器官」を映す! 頸動脈溜を早期発見
脳血管疾患は、最も突然死を招きやすい病気のひとつです。
外見から脳内の血管の状態は判別できません。
そのため、一見健康な人物がいきなり倒れ、数時間後には病院で死亡診断されているという事態が起こり得ます。
脳血管疾患を予測するには頸動脈の検査が有効です。
最悪の結果を未然に防ぐために、定期的な検査の受診をおすすめします。
また、たとえ脳血管疾患で一命を取り留めても、何らかの後遺症が出る ことが多くあり ます。
少しでも長く健康で自由な 暮らしを謳歌したいと望む方は、ぜひ早めにかかりつけの病院を見つけておくようにしてください。
今回は、頸動脈と脳血管の関係や、検査方法についてご紹介いたします。
頸動脈と脳血管
・脳血管疾患と関連性が強い頸動脈疾患
平成27年の厚生労働省による統計では、日本人の脳血管疾患による死亡者は11万1,973人でした。これは日本人の死因第4位にあたる数字です。
脳血管疾患のなかでも特に致死性が高い病気は「くも膜下出血」「脳内出血」「脳梗塞」で、頸動脈疾患は特に脳梗塞を引き起こしやすいとして注意喚起されています。
・軽動脈瘤 は破裂しやすい
頸動脈疾患で脳梗塞との関連性が指摘されているのは「頸動脈狭窄症」で、頸部の太い動脈で血栓が生じ、それが脳内の血管に飛んで塞栓を起こすことで「脳梗塞」・「重篤な脳梗塞」 に進展します。
また、頸部で動脈瘤が生じる場合もあるのですが、頸動脈瘤は破裂しやすいので、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病に心当たりがある方は日々警戒しつつ経過を観察していただきたいと思います。
頸動脈の検査
・画像検査の選択肢
頸動脈狭窄症、動脈硬化などの状態を確認するためには画像検査を受ける必要があります。
動脈瘤がある場合はかなり血管がもろくなっていると考えられますので、MRI検査やMRA検査、エコー検査など非侵襲性の画像診断を選ぶといいでしょう。
中でも、超音波を画像解析して視診するエコー検査は、脈を打って動き続ける血管のような臓器の画像診断に優れた成果が 得られる検査です。
水分を含む組織の感受性が高く、リアルタイムで動作や形態を確認できるうえ、薬剤を使用する必要もない非常にメリットが高い検査なので、ぜひ受けるようにしましょう。
・エコー検査は人間ドックで受けたい
通常、頸動脈や脳血管疾患が疑わしい方の検査では、エコー検査だけでは病名を確定できません。
しかし、動脈瘤がある場合には検査にあまり時間をかけるべきではないので、必要な検査を人間ドックで受け、状況に応じて即時治療すべきです。
人間ドックは検査から病理診断まで セットで受けられる唯一の方法です。
血管疾患は命の危険に直結します。
少しでも危ないと感じている方は、なるべく早めに病院を受診することをおすすめします。