「原発性胆汁性胆管炎」は治療をすれば治る! 検査を受けよう
日本は世界でもトップレベルの長寿命大国です。2018年の平均寿命ランキングでは女性が世界第2位、男性が世界第3位でした。
しかし、寿命の長さと健康に自立して生活できる年齢はイコールではありません。健康に自立して生活できる年齢の限度を「健康寿命」と言います。
残念ながら、寿命が長くなればなるほど健康寿命と命の終わりの隔たりが大きくなっていく状況です。
「できるだけ長く健康でいたい」「他人のお世話にならずに過ごしたい」そのように希望される方は、ぜひどんな病気リスクが自分の前にあるのか知って備えてください。
予防が難しい病気として「原発性胆汁性肝硬変」についてご紹介します。
病気と健康について考えるきっかけにしていただければ幸いです。
原発性胆汁性胆管炎とは
・どんな病気なの?
原発性胆汁性胆管炎は指定難病のひとつです。
現在はまだ「原発性胆汁性肝硬変」という名称の方がよく浸透していますが、2016年に患者や患者家族からの訴えを受けて「原発性胆汁性胆管炎」への名称変更が決定されました。
今後は徐々に「原発性胆汁性肝硬変」という名称は使われなくなっていくはずです。 肝臓の胆管の破壊により胆汁の流れが滞る病気で、自覚できる症状としては黄疸や皮膚のかゆみなどがあります。
原因不明で治療困難であるため、国から難病指定されており、また病が進行すると、肝硬変につながりうる危険な病気です。
・原発性胆汁性胆管炎になりやすい人
罹患率を見ると男女の割合は1対7で圧倒的に女性が多く罹患しています。
年代としては中高年以降に好発しているので、30代後半以降の女性は定期的に健康状態を確認するようにしましょう。
定期検診を受ける機会がない方は特に注意が必要です。
■病院で受ける検査と人間ドック
・原発性胆汁性胆管炎については肝生検が推奨される
肝臓という臓器に発生する病気の種類は数えきれないほどあります。
もし原発性胆汁性胆管炎が疑われる状況でも、確実に診断するには細胞を採取して顕微鏡で観察し、他の病気と鑑別して病名を確定する「肝生検」が推奨されるはずです。
細胞を実際に診ることから「細胞診」とも呼ばれます。
・各種検査をセットにした人間ドックがおすすめ
肝生検が単独で行われるケースはほとんどありません。
基本的には血液検査や画像検査とともに実施されるものです。通常は検査ひとつひとつの費用を支払っていくので経済的な負担や通院の負担が大きくなりがちです。
もし原発性胆汁性胆管炎と診断されたり、その可能性があると指摘されたならば、定期検診には人間ドックを利用することをおすすめします。
人間ドックは必要な検査をセットにしてお得に受けられる唯一の方法です。
検査に充てられる予算が決まっている方は、ぜひその旨を医師に相談してみてください。予算の範囲内で受けられる検査項目を紹介してもらえるはずですよ。
難病といわれている原発性胆汁性胆管炎を予防改善するためにも、ぜひ人間ドックを前向きに検討してみてください。