脾臓にはどんな病気があるの? 早期発見のためにできること

コラム

脾臓にはどんな病気があるの? 早期発見のためにできること脾臓はあまり脚光を浴びる臓器ではないかもしれません。
周辺臓器が病気に侵されると、その摘出のために脾臓まで取り出さなければならないケースもあります。すると、他の臓器が脾臓の分まで働くようになるので問題ない、とされているのです。
しかし、健康に機能する脾臓は造血機能、免疫機能、古い赤血球の破壊など、さまざまな働きで私たちの健康に役立っています。
自助努力で脾臓の病気を予防したり、病気の早期発見が叶うのならばそれにこしたことはありませんよね?
脾臓の病気と、有益な検査についてご紹介します。ぜひご参考になさってください。

脾臓の病気について

・脾臓にはどんな病気がある?
多くの内臓の病気に共通する性質があります。それは、「気づきにくい」こと。脾臓の病気も同様です。
まずは「脾腫(ひしゅ)」、脾臓が肥大する病気で、正常な赤血球まで破壊してしまいます。
次に特発性血小板減少性紫斑病(とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう)があります。脾臓で血小板を壊してしまう病気です。こちらは自己免疫疾患の一種で、医学的には研究の途上。ただしピロリ菌との関連性が疑われており、いずれ原因や治療方法が明らかになるのではと考えられています。
そして、「遺伝性球状赤血球症」文字通り遺伝性の病気で、赤血球が球状になるため脾臓で破壊されやすくなる疾患です。
脾臓の病気は基本的に血液と関係していると把握していただくといいでしょう。

・脾臓の病気はなぜ発見しにくいか
脾臓は骨に囲い込まれる位置にあるためレントゲンなどで撮影できません。
そして、症状が「血液」に起こるケースが多いため、原因疾患の部位が脾臓だとしても「どこで」「何が起こっているのか」をなかなか血液からは読み取れないのです。
さらに言えば、脾臓の病気に至るさらに大本の病気がある割合が多いので、脾臓の検査は後回しになりがちな面があると考えられます。

脾臓の検査と人間ドック

脾臓にはどんな病気があるの? 早期発見のためにできること

・脾臓の検査にはMRI検査がおすすめ
先述の通り、健康診断で行われるレントゲン画像に「脾臓」は映りません。同じ原理であるCTスキャンでも画像化できないため、脾臓の検査にはMRI検査を行います。
MRI検査は磁気画像診断と呼ばれる高度なもので、肉体を傷つけず、被ばくなどの恐れもない点で人気の高い検査項目です。
骨に囲まれた脾臓でも明瞭に画像化できるので、原因不明の不調がある方、脾臓をはじめとした骨格内部の臓器に不安がある方は受診をおすすめします。

・MRI検査は人間ドックでセット受診を
MRI検査は単独でも2万円から3万円の費用がかかります。人間ドックでは5万円以内、あるいは10万円以内といった予算で他のさまざまな検査を組み合わせられますし、病気が見つかった場合には病理検査まで流れで一度に受けられます。
単独の検査で異常が見つかったとしたら、別の検査を改めて予約し、その後に改めて病理検査を申し込まなければなりません。治療開始までのロスタイムが大きくなりますから、病気に対する不安がある方は定期的に人間ドックを利用したほうがいいでしょう。

人間ドックの理想的な受診頻度は2年から1年に1度と言われています。
脾臓は循環器系の臓器であり、がんリスクが高くなる世代ではより一層の注意が必要です。できれば1年に1度は健康状態の確認をするようにしてください。

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