人間ドックの費用は全額自費? PET/CT検査の保険適用条件とは
人間ドックには、通常の保険診療では選べない検査項目が豊富にあります。
そのため、組み合わせ次第では費用が高額になってしまうことも。
中でも「PET/CT検査」は特殊な機器を使用するため負担額が大きくなることがある検査。しかし検査の必要性や保険適用の有無など、条件次第では保険が適用されることもあります。
今回は人間ドックの検査費用について、PET/CT検査の価格の目安や保険の適用条件などをご紹介します。
人間ドックの検査費用について
●一般的な人間ドックの費用
自由診療の場合、基本的に人間ドックの費用は全額自費となります。「PET/CT検査」を含む人間ドックの場合、一般的な費用は10万円から15万円と幅があります。
ただし一定の病気の可能性や治療後の再検査など、医学的に必要と判断された場合、保険が適用されるため、実際に負担する費用総額は3割程度に抑えられることもあるのです。
●PET/CT検査の費用
「PET/CT検査」を単独で受診する場合の費用は10万円前後が一般的。
価格は基本的にそれぞれの医療機関が設定できるので幅がありますが、人間ドックのコースで受診する方が費用を抑えられるケースが多いです。
「PET/CT検査」だけでは病理診断はできません。具体的な治療方法の決定まで視野に入れるのであれば、単独ではなくコースで受診することをおすすめします。
PET/CT検査の保険適用条件
10万円以上かかる「PET/CT検査」に保険が適用されるかどうかは、受診する方にとっては非常に大きな問題ですよね。「PET/CT検査」の必要性が妥当だと判断される保険適用条件は以下の通りです。
●PET/CT検査の保険適用条件
・てんかんの外科的治療に際して、病巣診断する場合
・虚血性心疾患の外科的治療に際して、心筋の状態を調べる必要がある場合
・心サルコイドーシスの診断
・悪性新生物(がん)のステージ(病期)、転移の有無、再発診断にPET/CT検査が必要な場合 ※早期胃がんを除く
これらの条件に該当する場合、PET/CT検査の費用負担は3割となります。
●PET/CT検査はこんな検査
PET/CT検査は、エックス線で全身の器官の状態を確認するCT検査に、「がん」検査などに有効なPET検査を合わせた検査です。
がん細胞が糖質を多く代謝・消費する性質を利用して、体内でブドウ糖に似た動きをする放射性物質を含む薬剤を注射し(PET検査)、安静にしたのちに断層画像撮影(CT検査)を行います。このためPET/CT検査の前は、数時間の絶食を必要とします。
ただし、発生したばかりのがん細胞はブドウ糖の代謝が活発ではないため、どちらかというと「進行したがん」「転移したがん」の発見に有効な検査と考えられています。
人間ドックは、高度な検査を組み合わせることによって、経済的な負担を軽くすることができる検査です。待ち時間や通院の負担も軽減できるのでお得。定期的な健康状態の確認には人間ドックをおすすめします。