乳腺の病気は「乳がん」だけじゃない! 乳腺の検査項目とその内容

コラム

乳腺の病気は「乳がん」だけじゃない! 乳腺の検査項目とその内容女性ならではの病気といえば「乳房」に起こる疾患。もっとも代表的な疾患は「乳がん」をイメージされることでしょう。
確かに2016年に発表された最新がん統計データによると、女性の「がん」罹患数ランキングは、部位別に「乳房」「大腸」「肺」「胃」「子宮」の順に多いという報告があります。1位になった「乳がん」は大腸がんより3万件も多く報告されており、特に警戒すべき病気と言えるでしょう。

ただし、乳腺の病気は「がん」だけではありません。
乳腺に起こる病気ひとつとってもその症状は多種多様であり、セルフチェックだけでは不十分かもしれません。
今回は乳腺の病気の種類と各症状、乳房の病気に特化した精密検査についてご紹介します。

乳腺の病気を把握しておきたい!

●乳腺にはどんな病気が起こるの?
「乳がん」以外にも乳腺に起こる病気はあります。「乳腺症」「繊維腺腫」「乳腺炎」「乳管内乳頭腫」「乳腺嚢胞」などです。
これらの疾患は乳がんとの見分けが難しいケースも多いので、病名の確定には乳腺専門の検査を要します。

●乳腺に起こる病気の症状
乳がん、乳腺症、繊維腺腫、乳腺嚢胞には共通点があります。自覚症状のひとつに「しこり」があり、乳頭からの血交じりの分泌物が出る例も多いため「がん」と混同されがち。セルフチェックで「がん」と勘違いし、慌てて病院を訪れる方も多いようです。
細菌感染による乳腺炎は痛みを伴う腫れが現れたり、発熱することも。内部に膿が溜まってしまう場合、乳腺膿瘍に発展する可能性があります。
このように、セルフチェックでしこりを見つけたとしても「乳がん」とは限らないわけです。焦らずに乳腺科や内科を受診するようにしてください。

乳がんなど乳房の病気には精密検査が必要!

乳腺の病気は「乳がん」だけじゃない! 乳腺の検査項目とその内容
●必要な検査を精査して受けよう
乳房の検査としてはマンモグラフィー検査がよく知られています。乳房を板で挟んで薄く伸ばし、エックス線を照射して腫瘍の有無を調べる検査です。その他には超音波検査、乳管造影検査、乳管内視鏡検査、細胞診などがあります。
マンモグラフィーも放射線量が少ない治療ですが、超音波検査・内視鏡検査は被爆リスクがない検査です。若い世代では超音波検査を用いるケースが多いようです。

●乳腺のチェックには人間ドックがおすすめ
見分けが難しい病気の場合は、いずれにしろ確定診断のために細胞診が欠かせません。
●乳腺細胞診
乳腺内に嚢胞やしこりなどがある場合、その部位に針を刺して細胞を吸引採取します。組織を直接観察して性質を調べる検査であり、病理検査とも言い換えられます。

このような病理診断ができる医師は、決して多いとは言えません。
通常は段階を踏んで検査を進めていくので、その都度予約して順番待ちをすることも多いです。人間ドックではすべての検査がコースとして組み合わさっており、医師が必要と判断すれば、そのまま細胞診にかけられます。
病気治療はスタートが早いほど成果が出やすいと考えられるので、不安がある方は人間ドックで検査を受けることをおすすめします。

乳腺の病気は「乳がん」が突出して有名です。
乳がんからの生還には日ごろからのチェックが欠かせません。それは乳がんだけでなく、他の病気でも同様です。
女性のみなさんは、ぜひどんな乳腺の病気があるのか知って、異変に備えるようにしてください。

関連記事一覧