脳にはどのような疾患があるのか? 脳の検査項目や検査内容とは

コラム

人体の中で最も重要な器官と考えられる臓器は脳です。
生命活動の根幹を司る脳の病気は、命の危険に直結するものが多く、どんな小さな異変でも早期発見することが生存のカギとなります。
脳の疾患にはどんなものがあるのでしょうか?
また、気になる症状があるときにどのような検査を受ければいいのかをご紹介します。

脳の病気は発見が難しい? 主な疾患と症状

●脳にはこんな病気がある
医学が進歩した現代でも、脳は未解明の部分が残されている神秘の領域です。
既知の疾患としては「脳腫瘍」「脳血管障害」「脳神経障害」などの分類があり、脳腫瘍ひとつをとっても「下垂体腫瘍」「髄膜腫」「聴神経腫瘍」「転移性脳腫瘍」「神経膠腫(しんけいこうしゅ)」という風に病名が連なります。
脳血管障害は「脳梗塞」や「脳出血」をはじめ、「脳動脈瘤」「くも膜下出血」「もやもや病」「頸動脈狭窄症」「脳動静脈奇形」「硬膜下血腫」など。
神経に関与する脳の疾患は「パーキンソン病」「三叉神経痛」「水頭症」「顔面けいれん」などです。
外傷から慢性硬膜下血腫を起こす可能性もあるので、頭部に衝撃が加わるようなケガをした際には必ず脳の検査を受け、経過を見るようにしてください。

●病気のサインを見逃さないようにしよう
脳腫瘍の中でも全体のおよそ3割を占める「神経膠腫(しんけいこうしゅ)」は、グリオーマとも称します。
グリオーマでは、脳の主要な細胞である神経膠細胞から腫瘍が発生し、急速に拡大、そして正常な脳の部位にまで広がってしまう性質があります。
さらに正常な脳細胞と腫瘍は境目を見分けることは大変難しく、すべての腫瘍を手術で摘出するのは至難の業です。取り切れなかった腫瘍から再発する可能性も高いという特徴があります。

その症状は起床時にひどくなる頭痛やむかつき、めまい、目のかすみなど。脳が腫れ上がるタイプの疾患ではこのような症状がよく見られます。
脳疾患の多くは未だ研究の途上です。そのため、進行を遅らせる治療しか選択肢がないケースが少なくありません。ただし、外科的治療によって根治する場合も考えられるので、脳の病気はとにかくサインを見逃さないことが大切です。

脳の疾患に対応する検査を受けてみよう!

脳にはどのような疾患があるのか? 脳の検査項目や検査内容とは
脳の疾患を見つけるための検査は「心電図検査」「血液検査」「尿検査」などから始まります。また脳疾患の疑いがある場合は「MRI検査」や「MRA検査」「頸部超音波検査」「CT検査」といった検査で最終的な診断がなされます。
MRI検査やCT検査についてはご存知の方が多いかもしれませんので、ここではMRA検査について解説します。
●MRA検査
MRAを日本語に訳すと「磁気共鳴血管造影」となります。磁気共鳴診断装置で血管を立体画像化する検査です。一般的な造影検査は、造影剤による負担が少なからずかかります。その点、磁気共鳴装置による画像化は薬剤などを使用しないため、脳疾患の検査においてメリットの大きな検査方法といえるでしょう。

脳疾患の検査はいつ・どんな時に受けるべきか

健康な方はめったに病院とかかわりを持ちません。しかし、だからこそ病気の発見が遅れがちという一面もあります。
そこで、脳の重大な疾患を防ぐためには「気になったとき」や「不調を感じたとき」だけでなく、時期を決めて定期的に検査を受けることをおすすめします。
検査は単独で受けると待ち時間や費用が膨大になりますから、脳を専門に診る人間ドック(脳ドック)などを活用すると便利です。

病気はいつ、だれに起こるかわかりません。だからこそ、日ごろから警戒心を持ち、病気の発症を防ぐ意識が大切なのではないでしょうか。

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