原因はビールだけではない!? 激痛がともなう「痛風」とは?
飲み会の席ではビールは付き物ですよね。「最初はビール」という方は多いはず。しかし、ビール好きな社会人には「痛風」という病気リスクが付きまといます。
「痛風」とはどんな病気なのでしょうか?
また、「痛風」の原因は果たしてビールだけなのでしょうか?
「痛風」は「風が吹いても痛い」病気
●「痛風」とはこんな病気のこと
「痛風」とは俗称で、正確には「高尿酸血症」のことです。尿酸値が高くなりすぎて体内で結晶化し、関節などで激しい痛みをもたらします。症状が進めば炎症へと進展し、関節炎を起こします。
その後は体表面の発疹(結節)、腎機能障害などへ。痛みをともなう手足のむくみや腫れが起こったら要注意です。
●「痛風」の原因はビールだけじゃない!
なぜ「痛風」が起こるのか。その原因はビールだけではありません。ビールが「痛風」の原因とされるのはプリン体という成分のためです。当然、ビール以外にもプリン体を含む食品はありますから、それを多く摂取すれば「痛風」リスクは上昇します。レバー、白子、あんこうの肝、魚の干物、ウナギ、ジャガイモ、白米など、プリン体が豊富な食品は種類が豊富です。完全には避けられないと考えていいでしょう。
また、腎機能が低下している方も尿酸の処理能力が落ち、二次疾患として「痛風」を発症する可能性が指摘されています。
「痛風」はどうやって予防する?
●「痛風」の検査を知ろう
病院で受けられる「痛風」のための検査項目は以下の通りです。この検査によって「痛風」と診断された場合、その後も月に1回程度の頻度でこれらの検査を受ける必要があります。
■クレアチニン・クリアランス検査(Ccr)
血清や尿のクレアチニン値によって腎機能を測定します。
■採血と採尿
Ccrに先駆けて行う初期検査です。尿酸値と尿中尿酸濃度は診断の重要な手がかりになります。Ccrには2時間程度かかり、結果が出るまで数日間必要ですので、初期検査は欠かせない工程なのです。
■関節レントゲン検査
「痛風」によって起こる関節炎などの有無を調べます。初診の際に必要ないと診断されれば省略することも。
■画像診断
腹部超音波検査、CT検査などで腎臓の状態を確認します。
●「痛風」の予防と対策には人間ドックを!
近年「痛風」は20代の男性の間で頻発するようになってきたといいます。若い男性は代謝が活発ですが、その分暴飲暴食に偏りがち。過信は禁物です。飲み会などへの参加が多い方は痛風の検査を受けるといいでしょう。
上記にご紹介した検査項目は一般検診には含まれていません。個別にオーダーすることになるのですが、人間ドックであれば一連のコースのなかに組み込めるため比較的有利に受診できます。発症してからの治療は長期戦になりますから、ぜひその前に一度お近くの病院へご相談ください。
「痛風」は命にかかわる危険な病気です。「まだ大丈夫だろう」「自分は大丈夫」という油断が発病を招きます。ご自分の生活習慣をよく振り返って、危険性を認識していただきたいと思います。
若い世代であれば、まず一度人間ドックで身体の状態を確認するだけでかなりリスクを下げられるはずです。また、飲酒の際にはお酒を飲みっぱなしにせず、アルコール分解を助けるビタミン、ミネラルや水分を必ず補給するようにしましょう。