人間ドックの前後で「飲酒」を避けたほうが良い理由とは
病院で受けられる検査には膨大な種類がありますが、その多くには共通点があります。検査を受ける前日に飲食の制限がかかるというところです。
アルコールが好きな方からは「前日でも少しならいいのではないか」「ばれなければ問題ないだろう」という声も上がっていますが、なぜ検査の前日から飲食が制限されるのかご存知でしょうか?
人間ドックの検査にともなう飲食の制限について
●検査前に飲食した場合何が起こるのか
検査前の飲食によって正しい検査結果を得られなくなります。飲食すると人体は消化にかかりますが、臓器にその影響が半日程度は残るのです。特にアルコールの場合は少量でも血液検査の数値を大きく左右しますから、絶対に避けるようにしましょう。
理想的には検査の2週間くらい前からアルコールの量を制限していきたいところです。
●実は検査後にもアルコールは避けるべき
検査結果が正しく得られないと、病気を見逃してしまう可能性が高くなります。これだけで検査前の飲食制限の必要性は明らかですよね。ただし、それだけではないのです。
実は、検査が終わってからもしばらくは飲酒を避けるべきとされています。検査そのもののダメージから体を回復させるために必要なことなので、最低でも検査当日くらいは消化器官に負担をかける食べ物、飲み物、アルコールは我慢することをおすすめします。
飲酒と関係が深い検査の話
●検査のターゲットとなる臓器
飲酒と関連性が深い臓器としては、肝臓、腎臓、血管、脳などが考えられます。アルコールと脳の萎縮を関連付ける説があり、飲酒量とアルツハイマーのリスクは比例するとも言われているからです。また、消化器官の潰瘍も生じやすくなるので注意しましょう。
●人間ドックではどんな検査が選べる?
人間ドックでは何千という種類のなかから目的に合わせ、個人の体質を考慮して組み合わせたものをコースにします。飲酒を習慣とする方の場合は、「血液検査」「MRI検査」「内視鏡検査」「頭部CT検査」「CAVI(キャビィ)検査」などを選ぶといいでしょう。
「MRI検査」は磁気画像診断のこと。「頭部CT検査」はエックス線断層画像検査のことです。そして、「CAVI検査」は血圧や脳波測定によって動脈硬化の度合いを調べることを目的としています。血液検査については健康診断でも利用できますが、詳細な内容やその他の検査項目については人間ドックならでは。日ごろから不摂生だという方は多いでしょう。ぜひ定期的な人間ドックの受診を検討なさってください。
人間ドックは専門的な検査項目を組み合わせるので、どうしても一定の費用がかかります。
検査にともなう制限は正しい結果を出すために必要な条件です。「なぜ飲食制限がかかるのか」を知って、ぜひ前向きに人間ドックに臨むようにしていただきたいと思います。