手足のしびれが起こった時に疑うべき病気は何?
病気のサインはさまざまな形で現れます。手足のしびれはそのひとつではありますが、神経や骨格、脳や精神疾患など、あまりにも関連する疾患の種類が多く、さらにはその見分けが難しいため一般の方からすると選択するべき診療科すら判断できないケースが多いようです。
そこで、万が一手足にしびれが起こった時にどのような病気を警戒する必要があるのか、また、どこで検査を受ければいいのかご紹介したいと思います。
まずは手足のしびれから予測される病気の種類と、それぞれの治療を行う診療科の解説から始めましょう。
手足のしびれをもたらす病気について
・手足にしびれが出る病気の種類
手足にしびれをもたらす病気は、神経によって脳や内臓とつながっています。
脳の病気では「一過性脳虚血発作」「脳梗塞」など。脊髄の病気では脊髄とその周辺。神経根や脳脊髄硬膜にできる「脊髄腫瘍」など。骨格や神経関連では「変形性頚椎症」「椎間板ヘルニア」「胸郭出口症候群」「手根管症候群」など。血管の障害では「バージャー病」「動脈硬化」「レイノー病」など。循環器系では「糖尿病」などが疑われます。
・それぞれの病気を治療する診療科
脳や脊髄、血管の病気については脳神経外科や血液循環器科が専門科です。一過性脳虚血性発作は軽い脳血栓症で、数分程度で症状は治まります。ただし、その後脳梗塞に発展する可能性が高いので、できるだけ早く検査を受けるようにしましょう。
骨格の変形や、それに由来する症状については整形外科が専門科です。神経症状にも対応してくれるはず。ただし、同じ神経症状でも糖尿病神経障害である場合には循環器科や糖尿病専門のクリニック、あるいは内科が専門科です。また、精神疾患でも手足にしびれが起こる可能性があるので、身体的な問題が見つからない場合は心療内科を受診してみてください。
手足のしびれが出た時に行うべき検査について
・専門の診療科を選んで受診できるケース
脳の病気と分かっている時、あるいはそのほかの特定の病気だと最初から判断できる時には、それぞれの専門科目を最初から選んで検査を受けましょう。
脳と脊髄の病気には脳神経外科。骨格や神経の問題には整形外科を。糖尿病のような内臓の病気やがんについては循環器科や消化器科、内科など。ただし、状況によっては複数の診療科に通うことになるかもしれません。
・迷った時には人間ドックがおすすめ
病気のサインとして不自然な手足のしびれが起こると、本人としても確実に何かがあると感じ取れるはずです。この場合受診すべきは「人間ドック」です。人間ドックならば総合病院でもいろいろな検査項目を選び、病気の鑑別を行えます。
病変の発生部位を見分けるために必要な検査項目は「CTスキャン」「レントゲン検査」「MRI検査」や「超音波検査」「PET検査」などです。
CTスキャン、レントゲン検査、MRI検査は脳や脊髄、骨格の状態を確認するためのもので、特にCTスキャンとMRI検査が欠かせません。
いずれも断層画像を撮影する検査ですが、CTスキャンは骨格など水分の少ない領域の可視化に強く、MRI検査は脳など水分量が多い器官の画像化に有効です。
一連の流れで確定診断まで受けられるのは人間ドックだけです。人間ドックのコースはこれらの検査で手足にしびれをもたらしている原因を見分け、「原因」に特化した検査へ進み、確定診断の後に治療を始める運びになります。
もしも手足のしびれにお悩みであるなら、まずは病院で人間ドックのご相談をなさることをおすすめします。