健康診断で白血球数の異常が発覚した時、受けるべき人間ドックの検査

コラム

健康診断はあくまで健康であることを確認するための検査ですが、その結果異常が見つかるケースもあります。検査項目の基本に「血液検査」がありますよね。そこで何らかの異常があれば再検査へ進みます。
血液検査で認められた異常の内容が「白血球数の増加もしくは減少」であった時、詳細な検査には人間ドックの受診が必要です。この場合人間ドックではどのような検査を受けるべきなのでしょうか?

白血球数が異常だった時に受けるべき主な人間ドックの検査

・リウマチ・膠原病検査 血液検査で主な6項目について調査します。まずはリウマチ因子の測定でリウマチ、膠原病リスクを判定します。
・リウマチ因子
・抗CCP抗体
・抗核抗体(ANA)
・抗DNA抗体
・血清補体値(CH50)
・免疫グロブリン(IgG・IgM・IgA)
いずれも血液中の要素を数値化してリウマチ(膠原病)の形質、タイプや症状のレベルを確認するためのものです。6種類とも診断のためには欠かせない項目ですが、特に重症度判定のための「抗CCP抗体」と、治療を始めた後に効果を確認するための「血清補体値(CH50)」は、リウマチ(膠原病)と診断され、治療を始めた後も注目しておく必要があります。

・遺伝子検査
遺伝子検査には体細胞から遺伝子を取り出して調べる方法、血液スクリーニングで調べる方法がありますが、一般的には血液を用います。
これによって16種類以上のがんを早期発見できるので、画像診断では見いだせないレベルのがん細胞にも対処できるというわけです。ただし、健康診断でこれほど初期のがん兆候を察知することはまず不可能。人間ドックで定期的に受診してようやく価値を実感できる検査と言えるでしょう。

・胸部レントゲン、心電図、腹部超音波など
白血球数の変動に対する柱となる検査は血液検査(リウマチ・膠原病検査や遺伝子検査)の他にありません。血液検査によって白血病なども診断できるからです。
しかし、詳細に検査する人間ドックでもリウマチ、膠原病の診断は難しいので、確定のためにはその他の病気の可能性を否定する要素が必要となります。そのため、レントゲンや心電図、腹部超音波、時には消化器系の機能検査も行うことになるでしょう。
ケースバイケースで実施する検査項目を組み合わせ、確実な診断を目指してください。

白血球数が変動して異常値を示した際に考えられる原因

・白血球数が変動する原因となる病気
白血球数が上昇する場合に考えられる病気は「悪性リンパ腫」「骨髄増殖性疾患」「白血病」「感染症」「炎症」などです。
また、白血球数が減少する病気については「遺伝性疾患」「再生不良性貧血(悪性貧血)」「腸チフス」「膠原病」「後天的免疫不全症候群(AIDS)」「白血球減少症」「肝硬変」などです。
さらに、そのほかの病気治療に使用した薬剤の影響で白血球数が変動するケースもあります。治療の影響で血液の数値が異常を示したとしたら薬剤が体に合っていない可能性もあるので、治療方法の見直しも含めて担当医と相談する必要があるかもしれません。

・白血球数が変動する原因となる病気以外の要素
喫煙者、肥満症(メタボリック・シンドローム)の方、日ごろからストレスが多い方などは、生理的に白血球数が上昇するようです。
逆に白血球数が減少する原因としては、疲労、体調不良、遺伝的な体質などが考えられます。特に病気が認められなかった場合、生活習慣を見直すといいでしょう。

白血球の数値に異常が出た場合、通常の血液検査では詳しい原因の調査はできません。まず医師に相談してどんな検査方法があるのか確認し、人間ドックで原因の確定診断を受けること。これが最初に行うべき対処です。
ただし、膠原病に関しては重症度が低いほど判定が難しいので、明確な病名が付かない可能性も視野に入れておくことをおすすめします。

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