日本人に多いアレルギー疾患と人間ドック

コラム

日本人の中でアレルギー疾患に苦しむ人口は年々増えています。症状の現れ方や原因がさまざまで、なおかつ症状の重さにも個人差が大きいため、自分でアレルギーリスクに気づかない人も少なくありません。
しかし、アレルギーの原因となる物質「アレルゲン」が一定量体内に蓄積すればアレルギー疾患の発症は避けられないでしょう。場合によってはアナフィラキシーショックなど、命の危険を伴うケースもあります。
日本人に多いアレルギー疾患の種類と、その検査に関する情報を把握しておくようにしてください。

日本人に多いアレルギー疾患

・即時型のアレルギー疾患 アレルゲンに対して即座に反応するアレルギー疾患は花粉症に代表される炎症性疾患です。
「アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)」「気管支喘息」「アトピー性皮膚炎」「蕁麻疹」「アレルギー性結膜疾患」などは、いずれも表皮にアレルゲンが付着して反応を起こします。
「アナフィラキシー」「食物アレルギー」「薬物アレルギー」については、成分が表面に付着して炎症反応を起こす場合と、体内に取り込んだ結果反応が起こるケースに分かれます。
ここまでが比較的よく知られているもので、以下はアレルギー疾患としての認識は薄いのではないでしょうか。
「自己免疫性溶血性貧血」「血小板系減少」「血清病」「過敏性肺炎」「全身性エリテマトーデス」「ループス腎炎」「顆粒球減少症」「新生児溶血性黄疸」など。

・遅延性のアレルギー疾患
徐々にアレルギー反応が現れる疾患としては、「接触性皮膚炎」「橋本病」「ツベルクリン反応」や、「臓器移植の拒絶反応」「ベーチェット病」「結核の空洞形成」などまでアレルギー疾患に数えられます。
アレルギーは免疫異常であり、即時型であろうと遅延性であろうと、放置すればいずれは命に関わる重大な疾患なのです。

アレルギー疾患の検査は人間ドックへ

・アレルギー検査を人間ドックで実施するべき理由
アレルギー症状は個人差が大きいので、血液スクリーニングなどの基本的な検査では調べきれないケースもあります。
そうした場合には人間ドックの詳細な検査項目が有益です。一般の健康診断などにはないアレルギー検査でも医師の診断で症状が確認できれば保険が適用される部分もあるので、ぜひ人間ドックの受診を検討してみてください。

・人間ドックのアレルギー検査にかかる時間
人間ドックには日帰りや1日入院などが多いですが、人間ドックの場合は数日間以上の入院を伴う検査方法もあります。そのため一概には言えませんが、血液スクリーニングや皮膚検査などだけであれば1日で終わるでしょう。
アレルギー症状の出方や反応の速度、深刻さなどを勘案して医師と相談することをおすすめします。

人間ドックのアレルギー検査

・血液検査
血液を採取してアレルギー反応の有無を確認する検査です。自覚症状がない物質に対する反応まで見つけられるので、アレルギー疾患の発症を予防する役に立つでしょう。一度の検査で複数の対象を調べられるという利点もあります。ただし、調べる項目が増えるほど費用は高額になります。

・皮膚検査
皮膚にアレルギーの原因物質を滴下するか、張り付けるか、あるいは針で刺して反応を見る検査です。血液検査では見つけられなかった原因物質を特定できるケースもあります。粘膜部にも実施可能です。

・負荷試験
あえてアレルギーの原因物質と見られる物質を摂取して反応を調べる検査です。危険が伴うために基本的には入院が必要です。

・遅延型アレルギー検査
食物アレルギーの中で、反応が遅れて起こるものに対して行います。遅延型とされる条件は原因物質の取り込みから反応が起こるまでに6時間から24時間経過していること。
血液検査や負荷試験などと組み合わせて個別に設定する方法です。
アレルギー症状を呈してからならば保険が適用されるものもあるので、検査方法の選定は医師と相談の上決めるといいでしょう。
こうした検査項目を組み合わせて実施できるのは人間ドックならではです。

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