日本人が掛かりやすい「胃腸の病気」はこれだ!

コラム

日本人の胃腸は欧米人に比べて長いので、病気にかかりやすいと言われています。
日本人に多く発生する胃腸の病気にはどのようなものがあるのでしょうか?
健康に生きるために、リスクを把握しておきたいところです。

日本人に多い胃腸の病気5つ

・胃潰瘍
日本人には胃潰瘍患者が多いと言われています。ストレス要因による胃潰瘍も多いですが、胃潰瘍の原因菌、「ヘリコバクター・ピロリ菌」の日本人における保有率は、10代までが10%で、20代から30代が20%以上に増え、50代以上で80%にまで上昇します。
胃潰瘍から胃がんに発展するケースも少なくありません。

・胃がん
悪性新生物のリスクは日本人の誰もが持っています。胃がんはがん統計を見ると、2013年度の死亡順位、男女計2位を記録しました。罹患数の順位を見るとさらに多く、2011年の1位を記録しています。
胃潰瘍の発生数の多さが影響していると考えていいでしょう。

・潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎はストレスや、ヘリコバクター・ピロリ菌の影響で発生するケースが多い疾患です。大腸の粘膜組織に炎症が起きて、穿孔にまで進行することも。
大腸がんにつながる疾患です。胃部疾患と併合して起こる可能性が高いので、胃潰瘍患者には特に注意が必要です。

・大腸がん
がん統計による罹患数は2011年に男性4位、女性2位で、計2位でした。男性よりも女性の方が高リスクの疾患と言えるでしょう。
死亡数順位については2013年のデータで男性3位、女性1位、計3位でした。
潰瘍性大腸炎から発展する例が多いようです。ストレスの負荷が大きい自覚がある方、胃潰瘍や潰瘍性大腸炎の既往歴がある方は、定期的なチェックをおすすめします。

・機能性消化管障害(FGIDs)
胃もたれや下痢などが続くと言った不調を訴える日本人は年々増えています。これはエックス線検査や、人間ドックで行う内視鏡検査、消化器検査、腹部超音波検査でも器質的な異常が見つからないケースです。
特に多いのが逆流性食道炎です。塩分、油分、アルコールなどを多量に摂取する食生活を送っている方に頻発する症状で、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の低下を招きます。
機能性の胃腸疾患については生活習慣の改善が欠かせません。

胃腸疾患の検査について

・健康診断
健康診断で行う検査のうち、胃腸疾患の発見に役立つのは便潜血検査とエックス線検査です。

・人間ドックで選択できる胃腸検査
人間ドックではより胃腸疾患に特化した内容を選べます。主な検査項目は以下の通りです。

・画像検査など
「エックス線造影検査」

一般的にはバリウム検査と呼ばれています。エックス線を透過しないバリウムを飲んで撮影し、病変の有無を確認します。
「超音波内視鏡検査」
超音波内視鏡を使って、内部から超音波をあてて詳細に画像化します。食道、胃腸、胆のう、膵臓などの腫瘍判定に役立ちます。

・血液検査など
「ペプシノーゲン」

血液検査による消化器系のスクリーニング検査です。
「腫瘍マーカー」
血液を分析して炎症の有無を調べます。腫瘍マーカーが高い数値によって、どの部位にがんがある可能性が高いのは判定できます。
「胃液分泌物機能検査」
・触診など
「直腸診」

肛門から行う触診です。肛門や直腸下部の病変発見に役立ちます。
「ピロリ菌検査」
胃腸のがん要因となるピロリ菌の有無を調べます。検査方法は呼気検査、血液検査、内視鏡による検体検査です。
「ガストリン」
血液検査でガストリンの値を調べます。ガストリンは消化液の分泌を促すホルモン物質で、ガストリンが多すぎても少なすぎても胃腸に障害がある可能性を示します。

痔の疑いがある方には「肛門鏡検査」もあるので、検査項目は医師と相談の上決めてください。

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