日本人の2人に1人が「がん」に! 早期発見に役立つpet診断とは

コラム

厚生労働省が毎年日本人の死因統計レポートを発表していますが、その結果によると、昭和56年以降毎年第1位を記録し続けているのが「悪性新生物」つまり「がん」です。 しかも、毎年「悪性新生物」による死亡者は増加しています。
平成26年には367,943人を数えました。
悪性新生物の怖さは致死率の高さにありますが、寛解する症例も多く、全国保険協会のレポートによると全日本人のうち、「がん」に罹患する人の割合はおよそ50%に及ぶのだとか。
もはや誰もが無縁ではいられない重大疾患「がん」の治療には早期発見が欠かせません。
初期で発見できれば生存の可能性も大きくなりますので、社会人になったら定期的に人間ドックを受けるようにしましょう。

「がん」の発見に役立つ検査項目について

「人間ドックでは一般の健康診断よりも広範囲、かつ詳細な検査を行います。 「がん」の発見に特に役立つ検査項目を組み合わせれば、自覚症状が現れる前段階の超初期の「がん」までチェックできるのです。 受けるべき項目についてご紹介します。

■ 国立研究開発法人「国立がん研究センター」の検査項

・ 上部消化管内視鏡
・ 大腸内視鏡
・ 大腸CT
・ 大腸X線
・ 腹部超音波
・ 胸部CT
・ 乳房検診
・ 子宮頚部細胞診
・ 腫瘍マーカー(CA125)
・ 腫瘍マーカー(PSA)
・ 腫瘍マーカー(CEA)pet/CT
・ 血液検査
・ 尿検査

がんのチェックに特化した組み合わせで行われる人間ドックのことを「がんドック」と言います。がん検診とは厳密には異なるので注意して下さい。

がん検診に必須の「腫瘍マーカー(CEA)」のPET-CTとは?


がん(悪性新生物・悪性腫瘍)の有無を、メスを入れずに探知する手法としてPET-CT検査と言うものがあります。
腫瘍マーカーは身体のどこかに炎症が起こっていないか判定するもので、中でも特に「PET-CT」は「がん」の有無、悪性度の診断に欠かせません。

■ PET-CT

Positron Emission Tomography(陽電子放射断層撮影)
陽電子を放出する放射性同位体元素(アイソトープ)をブドウ糖に合成して体内に注入し、体内分布を追うことでがんの有無を判定します。
検査の方法を具体的に紹介しましょう。
まず検査前6時間前後の絶食を経て「F-FDG」という薬剤を静脈注射し、全身に注入した薬剤が行き渡るまで1時間から2時間程度待ってから人体の断面図を撮影するレントゲン(CT)撮影を行います。健康診断の際に、円筒状の穴が開いた機械の中に入っていく断面撮影を経験した方は多いはず。それがCTです。
この検査方法は、がん細胞が持つ「通常の細胞よりも活発にブドウ糖を取り込む性質」を利用して開発されました。
PET検査はCTと組み合わせて効果を発揮するため、頭文字を合わせて「PET-CT」と呼ばれます。

放射線のリスクを恐れる方もいらっしゃると思いますが、PET-CTで使用される薬剤の放射線量は自然界で受ける1年間の分量に相当する程度です。
危険性や副作用の報告はこれまでにありませんのでご安心ください。

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