専門人間ドックで脳を分解! 脳の健康を問う「脳検診」とは

コラム

「脳検診」は脳ドックとも呼ばれ、脳の健康状態を知るために必要な検査項目で構成されています。
日本では15歳以降脳血管疾患の罹患率が高まり、日本人の主要な死因ランキングトップ5に躍り出るのです。それ以降80代中盤まで、脳血管疾患による死亡者数は増えるばかり。
2015年度の統計結果から最も深刻だと考えられるのは、いわゆる働き盛りとされる40代、企業でも中枢を担う50代と、脳血管疾患による死者が862名から3、501名へと増加することでしょう。
しかも、一般に退職年齢である60代を超えても増加傾向に歯止めはかかりません。
80代前半の脳血管疾患による死者は23、318名へと拡大します。

忙しく働くうちに健康維持や体調チェックが甘くなり、社会人生活を送る中で脳血管疾患に至る方が増えること、そして、それ以降も状態が悪くなった脳血管が回復せずに、むしろ悪化する傾向にある現状がうかがえるようです。
仕事を終えても人生は続くのですから、ぜひ忙しい方ほど健康診断、そして人間ドックを受けて、自分自身を守る意識を持っていただきたいと思います。
脳を細部まで観察する「脳ドック」では何をするのかご紹介しましょう。

「脳ドック」の検査項目


「健脳梗塞、脳溢血、脳卒中など、突発的に命を脅かす症状の発症を予測し、抑える方法は脳ドックで状態を把握して対症療法を施すしかありません。

■ 画像による診断

・ MRI(磁気共鳴断層撮影)
・ MRA(脳血管撮影)
・ マルチスライスCT
・ 超音波検査

脳血管障害、出血、腫瘍などの発見に役立つ項目です。
MRIやMRAといった磁気共鳴画像診断は、脳ドックにおける最も基本的な検査項目です。
MRIの断層画像診断では脳出血、脳梗塞、脳腫瘍などの病気の有無を確認します。
MRIと同じように磁気共鳴による画像を抽出するMRAは、脳血管を3D化するので血管が細くなっていないか、詰まっていないかを見た目から診断できます。

同じ画像診断でもエックス線マルチライナスCTは多少性質が異なり、出血が白く浮き出るため素人でも容易に脳出血の有無を確認できること、MRIに比べて、検査時の患者の負担が少ないことから、比較的よく実施される検査項目です。
MRI、MRAで異常が見つかり入院となった場合、CTに関しては入院中、あるいは治療中に幾度も繰り返し撮影することになるでしょう。

■ 数値の計測による判定

・ 脳波測定
・ 心電図
・ 血圧測定

心電図、血圧、血液、尿、眼底など、脳を直接観察する項目ばかりではありませんが、特に心臓の状態や血圧は脳血管と密接につながっているので、こうした総合的な項目の構成は欠かせません。

■ 人間ドックの定義

人間ドックは基本的に自費です。法的な定義がなく、健康診断よりも多くの検査項目を行う精緻な検査となります。
検査項目の多さが健康診断と比較にならないため、健康状態で気になる所がある個人が任意で受診する形態です。健康保険の対象外となる項目も多いため、保険適用外となる可能性は高いでしょう。

このような違いから、健康診断の費用は無料から1万円程度、人間ドックの場合は最小でも2万円という費用が掛かります。

■ 成分分析による測定

・ 血液検査
・ 尿検査

糖尿病、高血圧を既往症として抱えていらっしゃる方はどうしても脳血管疾患のリスクが高くなります。定期的に精度の高い検査を受けて、些細な変化にも少しでも早く気付けるように自分をいたわるようにして下さい。

■ その他

・ 眼底検査

眼底検査は眼病などの有無を調べるものとして利用されますが、それ以外にも動脈硬化や高血圧、糖尿病のステージ判定にも役立ちます。
脳ドックでは欠かせない項目のひとつとして、必ず選ぶようにしましょう。

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