隠れ糖尿病に注意!

コラム

 健康診断では問題はなかったのに、いつの間にか糖尿病が進行していた!なんて恐ろしいことがおこりうるのが隠れ糖尿病です。実は医師でも見つけることが難しいと言われている隠れ糖尿病。ここでは、隠れ糖尿病の症状や原因、発見の仕方などを紹介しています。

糖尿病について

 はじめに糖尿病とはどのような病気なのか改めて紹介します。お米やパンなどの糖質が体の中に入ると、体内で消化されるとブドウ糖に変わります。これが血液の中に入ると、インスリンの働きで血液中の糖を分解してエネルギーになります。このインスリンは、血糖を正常範囲に保つ役割もしています。しかし糖尿病になってしまうと、このインスリンが十分に働かなくなってしまいます。そして、血糖値が高くなり血管が糖だらけになります。その結果、足のしびれや体重減少、その他様々な合併症を引き起こしてしまう病気です。

隠れ糖尿病とは

 糖尿病について理解できたところで、次は隠れ糖尿病について紹介します。隠れ糖尿病は普通の糖尿病とは違い、食後に異常に血糖値が上昇するという糖尿病です。糖尿病の前兆である症状でもあるのです。
健康診断で隠れ糖尿病の検診をする場合、「空腹時血糖値」という項目があり空腹のときの血糖値を測定し診断しますよね。しかし、「食後血糖値」の項目はなく検査はしないので、食後にどのくらい血糖値が上昇するのか知ることができません。「隠れ糖尿病」は、食後の血糖値が通常の人よりも高い「食後高血糖」を診断しないことには気づくことができないのです。その結果、重度の糖尿病にまで進行してしまうということも起こりかねないのです。
もちろん、健康な人も食後は血糖値が上昇します。しかし、インスリンによって時間が経てば血糖値は正常に戻ります。しかし隠れ糖尿病の場合、血糖値が下がるのがとても遅いのです。その結果動脈硬化を促進させてしまい、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まってしまいます。

隠れ糖尿病の原因と症状・発見方法

 隠れ糖尿病の原因は、普通の糖尿病と同じです。先天性の1型糖尿病は遺伝やウイルスの問題ですが、最も多い2型糖尿病は生活習慣や食生活が主な原因です。カロリー過多な食生活や運動不足の生活を送っていることでインスリンの働きが悪くなり、隠れ糖尿病になってしまいます。
 隠れ糖尿病の自覚症状はほとんどありません。まれに糖尿病の症状と同じように喉が乾きやすい、体重減少などの症状がありますが、糖尿病の初期ともいわれる糖尿病なので自覚症状がなく知らぬ間に進んでいることもあるのです。
隠れ糖尿病は、放置すると深刻な病気になることもあります。そんな「隠れ糖尿病」を早期発見するには、血糖チェックと尿糖チェックという方法があります。血糖チェックは血液検査のことです。病院で血液検査を行い、血中糖度の値を検査してもらいましょう。尿糖チェックは、食後に尿を試験紙にかけてチェックする方法です。隠れ糖尿病は食後の血糖値で判断できるので、夕食後2時間を目安におこなうようにしてください。

隠れ糖尿病の対策

 隠れ糖尿病にならないためには、やはり規則正しい生活とバランスのとれた食生活です。また、血糖値の上昇をゆるやかにするために最初に食物繊維の多い野菜や海藻を食べてから、お肉や魚などのタンパク質、最後に炭水化物を食べて血糖値が急上昇しないようにしましょう。また、早食いはNGです。ゆっくりと噛んでしっかり味わって食べることで食べすぎも抑えることができます。また、朝食はきちんと摂取してください。長時間空腹の時間が続くと、食後血糖値が急上昇してしまいます。逆にだらだらと食べ続けてしまうと高血糖の状態が常に続いてしまうので、3食メリハリをつけて食事をしましょう。
食後には軽い有酸素運動をすることもおすすめです。運動をすると、筋肉を動かすエネルギーに糖が消費されます。そのため、食後の血糖値の上昇を抑えることができて糖尿病の対策になります。

まとめ

 ここまで、隠れ糖尿病の原因や症状、対策について紹介してきました。健康診断では見分けられない隠れ糖尿病ですが、年々患者が増えていることも事実です。早期発見できる方法もあるので、少しでも疑いがある場合は積極的にチェックすることをおすすめします。また、普段の食生活にも注意をして生活したいですね。

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