超加工食品とは?認知機能におよぼす影響と食品を選ぶ際のポイント

コラム

私たちの日常生活に広く深く溶け込んでいる超加工食品ですが、超加工食品は体だけでなく脳へも大きな影響を与えることが明らかになってきています。
今回は、超加工食品が認知機能におよぼす影響や、超加工食品をできるだけ避けるための食品選びのポイントについて解説します。

超加工食品とは?

超加工食品とは、嗜好性・保存性を高めるために、加工の過程で様々な人工添加物や化学物質が添加された食品のことをいい、塩分・糖分・脂肪が非常に多く含まれています。
菓子パンやインスタントラーメン、ハム、ソーセージ、チップス、クッキー、チョコレートなど、スーパーやコンビニへ行けば、これらの食品であふれかえっています。

超加工食品に含まれる保存料や着色料、人工甘味料は、アレルギーや内分泌系へ影響をおよぼすことが指摘されており、過去には発がん性が確認されたものまであります。

また、これらの食品は塩分・糖分・脂肪が多いことから、摂取しすぎると確実に生活習慣病の原因になります。心臓病や糖尿病、高血圧といった病気のリスクが高まります。

超加工食品による認知機能低下リスク

上記のような身体への影響以外にも、超加工食品の摂取が過度になると認知機能の低下リスクが高まることが、いくつかの研究で明らかになってきています。

最近の研究の1つに、調査期間10年、ブラジル人の男女約1万人を対象として行われたものがあります。
この研究では、1日の摂取カロリーのうち、超加工食品の摂取カロリーが20%を超えると、認知機能の低下リスクが高くなることが示されています。超加工食品の摂取率が最も高いグループでは、摂取率が最も低いグループと比較して、認知機能が低下する速度が28%速く、実行機能が低くなる速度も25%速かったとのことです。

つまり、超加工食品の摂取率が高いほど、認知機能が低下するスピードが速いということになります。

食品を選ぶときのポイント

超加工食品をできるだけ避けるため、食品を選ぶ際は以下のポイントを心がけましょう。

● 原材料を確認する
パッケージの裏面に書かれている原材料リストをチェックするよう心がけ、それを習慣化しましょう。保存料、着色料、人工甘味料など、わかりにくい化学名のものが列挙されているものはできるだけ避け、原材料がシンプルなものを選ぶようにしましょう。

● ホールフード(Whole Food)を選ぶ
「ホールフード」とは超加工食品と対極にあり、添加物などを含まない、自然な形で提供される食品のことをいいます。野菜、果物、豆類、ナッツ、肉、魚、卵などがホールフードにあたります。新鮮な野菜や果物はビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含み、健康的な食事の基礎となります。

● 賞味期限が長い食品はできるだけ避ける
食べ物は本来、時間の経過とともに腐っていくものです。『賞味期限が長い・保存性が高い』ということは、『確実に保存料が使われている』ということを、改めて意識するようにしましょう。

● 超加工食品の中毒性に気づく
『おいしく』感じさせるために、甘味料・香味料が添加された超加工食品。コンビニで、つい手にとってしまうスイーツやスナックなど、超加工食品の中毒性に意識を向けることも大切です。『おいしい』とわかっているものをやめることは、決して簡単ではありませんが、がまんを重ねた時の体のちょっとした変化、『集中力が高まった』『胃腸の調子がよくなった』『よく眠れるようになった』といったことに、敏感に気付けるとよいですね。

まとめ

食生活をあれこれ一度に変えることは簡単ではありません。ですが、健康は食事から始まります。毎日の生活の中で、少しずつ、例えば1食品ずつでも、新鮮な食材に置き換えるなどして改善していけるとよいですね。

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