舌は内臓の鏡!?舌でわかる健康状態

コラム

東洋医学には、舌の状態から健康状態を読み解く『舌診(ぜつしん)』という診断方法があります。今回は『舌診』をヒントに、舌から健康状態を判断するための4つのチェックポイントについて解説します。毎日の健康管理に、ぜひ活用してみてください。

舌は内臓の鏡


舌は『内臓の鏡』といわれることも。舌は毛細血管がたくさん集まった粘膜組織なので、本来は外から見ることのできない全身・内臓を流れる血液の状態を知ることができるのです。とくに舌の裏側にある静脈は、皮膚に覆われていないため、直接目で観察することができます。

また東洋医学では、舌は体内にあるエネルギーの回路で各臓器につながっているといわれており、内臓に何かしらの異常が生じると、回路を伝って舌のいろいろな場所にその反応があらわれると考えられています。
舌の先は心臓や肺、舌の中心は胃腸、舌の奥は腎臓、舌の側面は肝臓や胆嚢の状態を、それぞれ反映しているといいます。

舌診と一言でいっても、その中にも様々な考え方・とらえ方があり、奥の深い世界ではありますが、私たちの日々の健康管理に活かせるヒントがたくさんつまっています。

舌で分かる健康状態:5つのチェックポイント


それでは、『舌診』をヒントに、舌の色や舌苔など健康状態を読み解く4つのチェックポイントをそれぞれご紹介します。

1. 色
うすいピンク色であれば、それは健康のサインです。また、舌の表面には舌苔と呼ばれる苔が付着しているのですが、この舌苔は粘膜を保護する役割があり、なくてはならないものです。うっすらと白い舌苔が付着していて、かつ舌の色がすけて見えるというのが望ましい状態です。

舌全体の赤みが強かったり、舌苔が少ない、黄色い舌苔が付着しているといった場合は、水分不足あるいは熱がある状態をさします。食べすぎなどで胃炎を起こしている場合にも、舌苔が黄色くなります。しっかり水分補給を行い、発熱が続くなど炎症が治まらないようであれば医療機関の受診をおすすめします。

また舌苔が焦げ茶色など黒っぽい場合は、胃腸系の炎症が考えられます。色が濃くなるようであれば、この場合も医療機関の受診をおすすめします。

舌が紫色をおびている場合は、血流が滞っている、手足の冷えやむくみが出やすくなっている、というサインです。同時に舌の裏の静脈も太くなっている場合が多いです。血液がドロドロになっている可能性もあります。生活に適度な運動をとりいれ、十分な水分補給を行いましょう。

2. 形
正常な舌は、楕円形でふちがゆるやかなカーブを描いています。
舌全体がはれぼったく、舌の縁にデコボコと歯形がついている場合は、胃腸の働きが低下し、むくみが生じているサインです。食べ過ぎや飲み過ぎが原因の場合もあります。冷たいものは控え、温かいものをとるようにして胃腸を休ませましょう。

また、ストレスなどから、歯を食いしばり過ぎて舌に歯形がつくという場合もあります。歯を食いしばり過ぎると歯茎に負担がかかってしまうため、ストレス解消を図ることが大切です。

3. 舌の裏の血管
舌の裏を走っている静脈の状態を見ます。上の歯をなめるようにすると見やすくなります。静脈が黒く浮き出ていると、心臓や婦人科系の病気など血行障害の可能性が考えられます。

4. 舌の動き
リラックスした状態で、舌をまっすぐ突き出すことができるか、余計な力が入ったりしないかを確認します。
まっすぐ突き出せない場合は、神経や血管の異常がかくれている可能性があります。脳の検査をしてもらった方がよい場合もあるので、医療機関の受診をおすすめします。

まとめ


『内臓の鏡』である舌には体に関するたくさんの情報がつまっています。
日々の健康管理として、まずは毎朝鏡を見て、自分の舌をチェックすることから始めてみませんか?

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