肝臓の働きとは?機能低下による体への影響も解説します!
お酒の飲みすぎは肝臓に良くないとか、休肝日を設けようなんてことを聞くけど、「肝臓ってどんな働きをしているの?」「そもそも肝臓はどこにあるの?」と気になることはありませんか?
肝臓は、人工的には作り出せない、とても複雑な働きをしています。肝臓が毎日休むことなく働いてくれているおかげで、私たちは健康に過ごすことができるのです。
そこで、こちらの記事では「肝臓の働きとは?」「肝臓が機能低下したらどうなる?」といったことを解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
肝臓の働きとは?
肝臓の主な働きは、以下の3つです。
代謝・貯蔵
解毒・分解
胆汁の分泌・合成
それぞれについて解説していきます。
代謝・貯蔵
肝臓は、食事から取り込んだ炭水化物・タンパク質・脂質などの栄養素を、体を維持するためのエネルギーに変化させる代謝をおこないます。また、余ったエネルギーは、もしもの時のために肝臓に貯蔵してあり、エネルギーが不足した時には、貯蔵したものを分解して利用しています。
解毒・分解
アルコールや一部の薬、たばこのニコチン、そして体内で作られるアンモニアは、体にとって有害です。肝臓は有害な物質を、毒性のあるものとないものとに分解し、解毒する働きがあります。分解されると、体外に排出させるための尿素に変化します。
胆汁の分泌・合成
胆汁には、脂肪の消化や吸収を促す働きがあります。脂肪は水に溶けにくく、栄養素を吸収しにくいため、胆汁により乳化することで水に溶けやすくします。また、寿命を迎えた赤血球に含まれる、ヘモグロビンが壊れてできるビリルビンという黄色い色素や、老廃物などを体外に排出する働きもあります。
肝臓はどこにある?
肝臓は、肋骨に守られるようにして、横隔膜直下の右上腹部にあります。肝臓は、体の中の臓器で最も大きく、大人の体重の約50分の1を占めており、英語では「レバー」と呼ばれています。
肝臓には、切除しても再生する能力があります。健康な肝臓であれば、60%~70%程度切除しても問題なく働き、さらには、数カ月~1年程度で元の大きさに戻るともいわれています。
しかし、病気になってしまうと、肝臓と同じ働きを持った人工臓器はありませんし、作ることもできません。そのため肝臓は、代わりの効かないとても大切な臓器なのです。
肝臓の機能が低下するとどんな影響がある?
肝臓は、病気になっても症状が出にくく、「沈黙の臓器」といわれています。そのため、症状が現れたときには、かなり病状が進行している可能性もあります。肝臓の機能が低下すると、体を維持するためのエネルギーが作られなくなり、パワーが出ずにだるさを感じます。また、有害物質の分解や解毒ができなくなり、有害物質が体内に残ってしまうことで、体がかゆくなるなどの症状が出ます。さらには、胆汁の分泌・合成ができず、ビリルビンの排出ができないため、黄疸の症状がみられます。症状が悪化すると、肝炎や肝臓がんなどになってしまうことがありますので、肝臓の機能低下が感じられたときには、早急に医療機関を受診しましょう。
肝機能の低下は、アルコールの過剰摂取や肥満、薬の成分などが原因となって引き起こされます。アルコールを飲むときは休肝日を設けたり、飲みすぎたりしないようにしましょう。また、肥満は生活習慣病などを引き起こす原因にもなりますので、食事や運動を見直すことが大切です。
まとめ
肝臓の働きは、体のエネルギーを作ったり、有害物質を分解・解毒したりと、私たちが健康に過ごすためには欠かせないものです。肝臓はとても強い臓器で、半分以上を切除しても再生する能力がありますが、残った部分の肝臓が病気になっていると、再生能力は低下して、肝機能は元に戻りません。もしも、肝臓について気になることがあったら、早期に医療機関を受診し、適切な治療を行いましょう。また、健康な肝臓を保つために、生活習慣が適切かを見直すことも大切ですね。