糖質を抑える食べ方、レジスタントスターチとは?

コラム

昨今、糖質制限ダイエットがメジャーになってきました。しかし今、吸収されにくい糖質があることがわかっています。それがレジスタントスターチです。ここでは、糖質制限中でも食べられる糖質、レジスタントスターチについて紹介します。

糖質制限ダイエットの仕組み

 はじめに、糖質制限ダイエットの仕組みを紹介します。糖質には血糖値を上昇させる作用があります。血糖値が上昇することにより、インスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンは血液中にある糖を脂肪細胞へと取り込むよう促す働きをします。インスリンが多く分泌されてしまうと、血液中の余った糖分が体脂肪として蓄積されてしまうのです。そのため、糖質を制限することインスリンの分泌を抑え、体脂肪を落としていくのが糖質制限です。

レジスタントスターチとは?

 糖質制限の仕組みが分かったところで、レジスタントスターチについて紹介します。「レジスタント」は「消化されない」、「スターチ」は「でんぷん」という意味で、食物繊維と同じ働きをする糖質ということで注目されているのです。良質な炭水化物と言われており、食物繊維と同様に小腸内で消化されません。その結果大腸まで届き、腸内細菌のエサになってくれるのです。
 

効果①血糖値の上昇を抑制

 先程も述べたように、レジスタントスターチはその名の通り「消化されないでんぷん」という意味です。食物繊維と同じ働きをして、小腸で吸収されず排出されてしまいます。もちろん吸収されないわけなので、血糖値の上昇を抑え、インスリンの分泌を抑えることができるのです。

効果②便通の改善と美肌効果

 食物繊維と同じ働きをするレジスタントスターチ。小腸を通り抜けて大腸まで届くので、大腸菌の餌になってくれます。その結果、善玉菌が増えて便通が改善します。腸内環境が整うことは、美肌効果もあるのでまさに一石二鳥です。

効果③体重増加を抑制する

 いつも食べている炭水化物をレジスタントスターチに変えることで、体重増加が抑制できることがわかっています。高脂肪食だけを食べたマウスと、レジスタントスターチを含んだ高脂肪食を食べたマウスの体重を比較する研究で、前者のマウスは体重が増加し、後者のマウスは体重が減ったという結果が出ているそうです。また、脂肪重量の増加も抑えられて、脂肪肝も改善したそうです。
 実際にレジスタントスターチにすることで吸収される糖質が減るため、カロリーが半分になることもわかっています。白米茶碗1杯は通常260kcalくらいですが、レジスタントスターチにすることで、130kcalに抑えられます。おそらくカロリーが半減したことにより、体重増加や体脂肪増加が抑えられると思われます。

レジスタントスターチを含む食べ物

 レジスタントスターチは主に、インゲン豆、トウモロコシ、大麦、白米、全粒小麦、ジャガイモなどに多く含まれています。レジスタントスターチの特性として、冷やすことで増えることが分かっています。これは、未加熱の食材はでんぷんが消化されにくい状態にあるためです。
 普通の糖をレジスタントスターチにするには、白米を冷や飯にしたり、蒸したジャガイモを冷やしたりすることが必要です。一度加熱することででんぷんが糊化され一度レジスタントスターチは減りますが、再び冷やすと再結晶して消化されにくくなります。

まとめ

 ここまで、レジスタントスターチの効果や仕組みについて紹介してきました。ダイエットで糖質を過度に制限することは身体に様々な害を及ぼすため、適度に摂取することが必要です。しかし、少しでも糖質量を減らしたいという気持ちもあると思います。
 白米を冷やご飯にしたり、じゃがいもをポテトサラダにしたり、冷やすことで吸収する糖質を減らすことができるレジスタントスターチ。ぜひ生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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