皮膚ガスのにおいとは?体臭との関係はあるの?
「しっかり体も洗って体臭対策はしているつもりなのに、なぜかアンモニア臭がする」
この場合、ストレスや腸内環境の悪化による「血液由来」の皮膚ガスが原因かもしれません。
アンモニア臭がする皮膚ガスは「疲労臭」と呼ばれ、体内を流れる血液からにおうものなので、体を洗ってもにおいは取ることができないのです。
本記事では、皮膚ガスとはなにか、どんなにおいがするのか、体臭とどんな関係があるのかを簡単に解説しています。
体臭が気になっている方や、皮膚ガスについて興味のある方はぜひ参考にご覧ください。
皮膚ガスとは
皮膚ガスは、体の表面から放散されている微量のガスのことで、主に「表面反応由来」「皮膚腺由来」「血液由来」の3つに分けられます。
表面反応由来:皮膚表面にいる常在菌が汗や皮脂をエサとして食べ分解し、皮膚表面から皮膚ガスを放出します。
皮膚腺由来:汗腺や脂腺から放散され、汗や皮脂の分泌量に伴いガスの量も変化します。汗の原料となる血液中の成分が、汗腺から放散されることもあります。
血液由来:血液中の成分が揮発して直接皮膚から放散されます。例えば、乱れた食生活でアンモニアなどの有害物質を解毒・分解する臓器の肝臓が弱っていると、そのまま血流にのって全身を巡っているときに、皮膚からアンモニア臭がします。
皮膚ガスのにおい
皮膚ガスの種類は300種類以上あるといわれており、ガスによってにおいもさまざまです。
例えば、10~20代前半の女性では、ラクトンという成分により桃のような甘いにおいの皮膚ガスが放散されていることがわかっています。
皮膚ガスのにおいを感じる場所は3つの経路のうちどの由来かによっても違いがあり、表面反応由来のものは後頭部や耳の周りなど体の中心部、皮膚腺由来のものは汗腺や皮脂線が多い脇や足の裏、血液由来のものは全身となっています。
皮膚ガスと体臭の関係
皮膚ガスは体臭と深く関係しています。代表的な体臭となるにおいは、以下のとおりです。経路ごとに解説していきます。
表面反応由来
まずは30~40代の男性に多い「ミドル臭」。これはジアセチルという物質によるもので、何度も使ったあとの油のようなにおいがします。特に、後頭部でにおいやすいことがわかっています。
つぎに、40~50代の男女に多い「加齢臭」。ノネナールという物質が原因となっており、腐ったチーズや枯草のようなにおいがします。頭部や耳の裏、背中などでにおいやすいことがわかっています。
皮膚腺由来
体内で分解されてできた酢酸は、血液にのって全身を巡りやがて汗や尿などとして体外へ排出されます。そのため、汗には酢酸が含まれており、酸っぱいにおいがします。汗腺が多くある脇やあしの裏などでにおいやすいです。
血液由来
アンモニア臭がただよう「疲労臭」。原因はストレスや筋肉疲労、腸内環境の悪化や肝機能の低下によるものです。原因により血中のアンモニア濃度が高くなったり、アンモニアを解毒・分解できなかったりすると、アンモニアが血液中に含まれて全身を流れることに。そのため、皮膚ガスのにおいは全身から感じられます。
まとめ
皮膚ガスには、表面反応由来、皮膚腺由来、血液由来の主な3つの経路がありますが、表面反応由来と皮膚腺由来の皮膚ガスは洗うとにおいを落とせます。しかし、血液由来のものは体内を流れる血液に含まれる物質によるものなので、生活を見直さなければ、疲労臭などのにおいを抑えることは難しいでしょう。
バランスの良い食事や質の良い睡眠をとり、ストレスはなるべくため込まないようにします。適度な運動をしたり、気の置ける友達と話したりしてストレス発散するのがおすすめです。