歯並びは大人になってからも悪くなる。原因や対処法を解説

「きれいな歯並びだったはずなのに、歯並びが悪くなった気がする」
「大人になって歯並びが悪くなることがあるの?」
このような悩みを持っている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、大人になってから歯並びが悪くなった原因や対処法について解説しています。最近、歯並びが悪くなって気になるという人は、参考にお読みください。
大人になってから歯並びが悪くなる4つの原因
大人になってから歯並びが悪くなる原因には、主に以下の4つがあります。
1. 歯周病が進行する
2. 歯ぎしりをしている
3. 親知らずが近くの歯を押している
4. 歯の治療をしていない
それぞれ解説していきます。
1. 歯周病が進行する
歯周病は、磨き残し(プラーク)の中に存在している歯周病菌による感染症です。むし歯とは違い、痛みなどの自覚症状はありません。
歯周病菌が出す毒素は歯を支える歯ぐきや骨を溶かすため、悪化すると歯がグラグラと動き歯並びが悪くなります。
2. 歯ぎしりをしている
通常、歯の上下が合わさるのは噛んでいるときだけですが、歯ぎしりは食事以外の起きている場面や寝ているときに起きます。上下の歯をギリギリとすり合わせる、上下の歯を強くかみしめるといった状態が続くと、歯や顎に強く力が加わり歯並びを悪くします。
3. 親知らずが隣の歯を押している
親知らずは、永久歯がすべて生え変わった10代後半~20代前半に生えてくる歯です。日本人は顎が小さい人が多く、親知らずが生えるスペースを確保できずに、斜めや横向きに生えてくるケースがあります。そのため、隣の歯を押してしまい歯並びが悪くなります。
4. 抜けた歯や治療途中の歯をそのままにしている
抜けた歯の部分を治療しないままにしておくと、空いたスペースを埋めようとして隣の歯が傾いたり移動したりして歯並びが悪くなります。また、虫歯を治療の途中で放置すると、治療で削った箇所の噛み合わせがうまくできずに歯並びも悪くなる
歯並びが悪くなると起きる3つの身体的影響
歯並びが悪いと、身体的にも以下のような悪影響が起きます。
1. 歯周病のリスクが高まる
2. 消化不良を引き起こす
3. 見た目に自信がなくなる
1. 歯周病のリスクが高まる
歯並びが悪いと丁寧にブラッシングしても磨き残しをしやすいため、歯周病のリスクが高まります。磨き残しは蓄積すると石灰化して、歯の表面に白または黒の石のように硬い歯石を作ってしまうことに。歯石はでこぼこしていて細菌が付着しやすく、歯周病のリスクを高めてしまいます。自分では除去できませんので、歯科医院でクリーニングしてもらう必要があります。
2. 消化不良を引き起こす
歯並びが悪いと、上下の歯がうまくかみ合わずに食べ物をこまかく砕けず、消化不良を起こします。
食べ物が大きいまま胃や腸に届くと消化に時間がかかってしまい、胸やけや吐き気、食欲不振などの症状があらわれます。
3. 見た目に自信がなくなる
歯並びが悪いと口元の見た目に自信が持てなくなることもあります。日本臨床矯正歯科医会の「男女1000人意識調査」によると、歯並びに自信がない人は約半数の46.2%。歯を見せて笑うことに抵抗を感じる人は25.9%もいることがわかっています。
歯並びが悪いと自分の見た目にコンプレックスを持ってしまい、自信もなくす人がいるのです。
参考資料:日本臨床矯正歯科医会「男女1000人意識調査」
大人になってから歯並びが悪くなったときの対処法
大人になってから歯並びが悪くなったときの対処法は以下の3つです。
1. 歯周病や虫歯などの治療をする
2. マウスピースをつける
3. 歯の矯正治療をする
それぞれ解説していきます。
1. 歯周病や虫歯などの治療をする
歯周病や虫歯などは早めに治療を開始しましょう。治療を遅らせると症状が進み、歯並びもより悪化してしまいます。並びが悪くなった歯は基本的に自然には治りませんので、悪化させないためにも早急な治療は大切なのです。
2. マウスピースをつける
マウスピースは、歯の上にかぶせるように装着して、スポーツ中の歯を保護したり歯ぎしりによる歯のすり減りを予防したりする効果があります。
歯ぎしりは寝ているタイミングが多いため、寝るときにマウスピースを装着することで、歯並びの悪化を防ぐことができるでしょう。
3. 歯の矯正治療をする
歯並びが気になって直したい場合は歯科医院で矯正治療をおこないましょう。
矯正治療はワイヤー矯正やマウスピース矯正などの種類がありますので、担当医としっかり相談し、メリット・デメリットを理解したたうえで決めましょう。
まとめ
歯並びが悪いと、歯周病のリスクを高めたり消化不良を起こしたりすることもあります。大人になって「歯並びが悪くなってきたかも」と感じた場合には、早急に対処して悪化させないことが大切です。