日本人の2,000万人が該当する脂肪肝の症状・治療法・予防法

コラム

日本人の四人に一人が抱えている疾患、脂肪肝は放置していると肝硬変から肝臓がんになる可能性も。特に非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は肝炎になる人も見受けられるので要注意。禁酒、摂食で改善可能な症状。

脂肪肝という名前は、健康診断や人間ドックを受診した際に指摘される方も多い症状です。

それ自体は、肝臓に脂肪がたまった状態で病気とは言えないかもしれませんが、悪化すると、恐ろしい肝臓病を引き起こす可能性もあります。

そこで今回は、脂肪肝について解説してみました。

日本人の四人に一人が脂肪肝・悪化すると癌に発展する可能性も

脂肪肝は現在、日本人の四人に一人、つまり2,000万人から2,500万人程度が発症している、といわれている症状です。

また残念なことに、日本人は遺伝的に欧米人よりも脂肪肝になりやすい民族とされています。

というのも、日本人は脂肪を体内に溜め込みやすいDNAを持っている人の割合が欧米人よりも多いからです。

また、日本人はアルコールを体内で分解する能力が欧米人よりも弱い人が多いのですが、こちらも脂肪肝が多い原因となっている可能性があります。

なお、脂肪肝の中にもいくつか種類があって、肝硬変やガンに発展しやすい種類の脂肪肝も。

ですから、脂肪肝といっても決して軽視しないようにする必要があります。

脂肪肝とは

脂肪肝は肝臓に中性脂肪が蓄積されすぎている状態を指します。

具体的には、肝臓の30%以上に脂肪がたまっている状態を脂肪肝と呼びます。

こういった状態は主に、食べ過ぎやお酒の飲み過ぎなどから発生。

そして脂肪肝には、アルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝(NAFL)があります。

脂肪肝の場合、一部は肝炎から肝硬変、そして肝臓がんへと進行していく場合があります。

アルコール性脂肪肝


アルコール性脂肪肝は名前の通り、主にお酒の飲み過ぎが原因で発生します。

アルコール性脂肪肝になる酒量の目安としては、日本酒3合に相当するアルコール量を毎日飲み続けていると、脂肪肝になる可能性が高くなります。

ですから、どうしてもお酒をやめられない場合、少なくとも、毎日日本酒3合に匹敵するほどの量は飲まないように気をつけましょう。

また、できれば週に一回でも二回でもお酒を飲まない「休肝日」を作ることもとても大切なことです。

非アルコール性脂肪肝

非アルコール性脂肪肝は、お酒が原因ではなく、食べ過ぎなどが原因となることが多いです。

しかしそれだけではなく、お酒も飲まなくて特に肥満体型でもないのに非アルコール性脂肪肝となっている方もいます。

この場合、少し注意をする必要があり。

というのも、お酒の飲み過ぎや食べ過ぎで脂肪肝になった場合はそれらの行為をやめれば、脂肪肝は治っていきます。

しかし、飲酒や過食もないのに脂肪肝になる場合は、改善方法が分かりにくいので、注意が必要となります。

また、最近になって非アルコール性脂肪肝から肝硬変や肝臓がんに進んでいくケースがある、ということがわかってきました。

たとえば、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は非アルコール性脂肪肝が進行したものですが、患者数が100~200万人もいて、肝臓がんに進行する可能性もあるので注意が必要です。

ですから、お酒を飲まず、肥満体型でもないのに脂肪肝の場合、医療機関で診察を受けてみると良いでしょう。

また、脂肪肝は過激なダイエットをやって痩せた場合にも発生することがあります。

というのも、あまりにも急激に体重が減少した場合、人間の体は飢餓状態に陥ったと錯覚して、肝臓に脂肪を蓄積させてしまうからです。

なので、ダイエットをする場合はあまり焦らず、ほどほどの体重減少を保つようにしましょう。

まとめ

このように、患者数が多いからといって決して油断ができないのが脂肪肝です。

しかし、脂肪肝の場合は自分の努力だけでも、症状を改善させることがある程度、可能なので、適度な運動や適度な食事、アルコールは控えることで脂肪肝から脱出することは十分に可能です。

これまでの生活態度を改善して焦らずに毎日コツコツと、脂肪肝を治していきましょう。

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