塩分の摂り過ぎはなぜダメなの?体への影響を解説
塩分の摂り過ぎはよくないと知っているけど、塩分の何がダメなのかよく知らない方もいるのではないでしょうか?
塩分とは、ナトリウムと塩酸が結びついた塩化ナトリウムのことで、食塩は塩化ナトリウムを主成分とした調味料のことを言います。塩分には浸透圧の調整や栄養の消化・吸収、筋肉の収縮などの役割があり、体にとって無くてはならない栄養素です。
こんなに重要な働きをしている「塩分」なのに、なぜ摂り過ぎがダメなのか、摂り過ぎると体にどんな影響があるのか気になるかと思います。
こちらの記事では、塩分を摂り過ぎた場合の体への影響などについて解説しています。塩分の摂り方がよくわからない、塩分を摂り過ぎるとどんな影響があるか心配と悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
塩分を摂り過ぎがダメな理由
体にとって重要な役割のある塩分ですが、摂りすぎてしまうと高血圧になるリスクが非常に高いことがわかっていますので、摂り過ぎはダメだと言われています。
WHOでは、塩分の摂りすぎが原因で毎年189万人が死亡していると推定しています。また、厚生労働省による日本のおける「予防可能な危険因子」を比較評価した研究報告によると、NCDs(不健康な食事や運動不足による慢性疾患の総称)・外傷による死亡の決定因子は1位が喫煙で、2位に高血圧と続いています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」では、男性7.5g、女性6.5g未満と食塩摂取量の目標値を定めています。
しかし、令和元年国民健康・栄養調査によると、日本人の食塩摂取量は、男性10.9g、女性9.3gとなっており、目標値には到達できていないのが現状です。
WHOでは、成人が1日に摂取する塩分の量を5g未満と推奨していますので、こちらの基準に到達するには、現在の食塩摂取量を約2分の1程度減らす必要があり、達成することの難しさを感じます。
日本人は他国に比べて塩分摂取量が多いと言われていますが、その原因となるのは、日本人の食生活とは切り離せない、しょう油やみそを多く使った料理にあると言われています。
食塩の5gは小さじ4分の3程度ですが、しょう油やみそにも塩分が多く含まれており、塩分を控えたつもりでも知らず知らずのうちに多く摂りすぎていることがあるのです。
塩分の摂り過ぎによる体への影響
塩分の摂り過ぎによる最も大きい体への影響は、高血圧になることです。
塩分を摂り過ぎると、血液中のナトリウム濃度が上昇してしまうため、濃度を正常に戻そうと水分量を増やします。結果、体内の血液量が増えることで血管に圧力がかかり、血圧が上がってしまいます。
また、塩分の過剰摂取による高血圧は、慢性腎臓病になる原因のひとつになると言われています。
腎臓は血液をろ過して、余分な水分や塩分などを尿として体外に排出させていますが、血圧が高い状態が続くと、ろ過機能が疲弊して十分な働きができなくなってしまいます。
慢性腎臓病は腎機能の低下が慢性的に続く状態のことですが、初期の頃は自覚症状がほとんどなく、気付いたころには病状がかなり進行していることがありますので、注意が必要です。
まとめ
塩分の摂り過ぎによる体調不良を回避するためには、食事のときに減塩に気を付けることが重要です。
日本食に欠かせないしょう油やみそには多くの塩分が含まれています。減塩しょう油や減塩みそを利用したり、だしを濃い目にして調味料の量を減らしたり工夫してみましょう。だしによっては塩分が含まれているものもありますので、利用する際には注意が必要です。
また、ブロッコリーやほうれん草、アボカドやバナナなどに多く含まれるカリウムは、塩分に含まれるナトリウムを排出する働きを助けてくれますので、食事の中に取り入れてみてください。ただし、腎機能が低下している方は、カリウムの血中濃度が高くなることで命に係ることもありますので、必ず医師の指示に従ってください。
塩分の摂り過ぎにならないようにうまく調整しながら、いつまでも病気にならない健康な体で過ごしたいですね。