健康的な生活に欠かせないレジスタンス運動とは?

コラム

みなさんは、レジスタンス運動という言葉を聞いたことがありますか?レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動です。レジスタンスは和訳で「抵抗」を意味します。運動する人の状態や目的によって自分の体重やゴム製のチューブ、ダンベルなどで負荷量を調整して行うことができるのです。そしてこの運動は、足腰を鍛えたいご年配の方にもおすすめです。今回は、そんなレジスタンス運動について紹介していきます。

レジスタンス運動の目的


レジスタンス運動は、筋肉量増加・筋力向上・筋持久力向上を促す筋力トレーニングとして高齢者からアスリートまで広く行われています。とくに高齢者は加齢によって、全身の筋力低下が起きてしまいますよね。歩行能力も低下するため、階段の昇り降りや買物袋を運ぶなどの日常生活能力が低下したり、社会参加の機会が減少したりして、サルコペニアやフレイルが進行してしまいます。高齢者に対するレジスタンス運動はこれらのサルコペニアやフレイル、骨粗しょう症、型糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防・改善のために行われ、健康寿命の増進に繋がります。

レジスタンス運動の効果


レジスタンス運動の効果として次のことがあげられます。筋タンパク質の合成が分解を上回り、骨格筋量が増加することによって筋力・筋持久力が向上し、ADL能力の向上につながること。自己効力感を高め、精神的な健康を保つことが期待できること。加齢による骨ミネラル濃度の低下を軽減し、骨粗鬆症予防が期待できること。除脂肪体重の維持・増加により、身体組成※1の改善が期待できること。身体活動やスポーツによる障害のリスクを軽減すること。高血圧患者の安静時血圧の低下、心拍数・血圧・二重積(心拍数×収縮期血圧)の減少、血中脂質値の改善、耐糖能の改善・ヘモグロビンA1cの減少により、心臓血管疾患リスクを軽減することです。また、レジスタンス運動を行うと筋繊維を支配する神経系が賦活し、より多くの筋繊維が効率的に働くことに加え、筋肥大を認め筋肉量が増加することがわかっています。研究報告によると平均年齢90歳の高齢者でも、レジスタンス運動により筋肉量増加と筋力アップが認められることがわかっているのです。

レジスタンス運動のやり方


ここからは実際に、簡単に実践できる方法を紹介していきます。各運動はゆっくりと10回ずつ行いましょう。まずは椅子スクワットです。この運動は、大腿四頭筋や大臀筋を鍛えることができます。まず足は肩幅に開き、椅子からゆっくりと立ち上がり、ゆっくりと腰を下ろしましょう。このとき膝の負担を軽くするために、股関節を曲げることを意識してみてください。視線は前を見ることがポイントです。
次に腕立て伏せです。この運動は主に、上腕三頭筋や体幹(前面部)を鍛えることができます。まず肩幅より広めに手を床につき、膝を床につけましょう。頭から膝まで一直線の状態を保ったまま肘を曲げて上体を下ろし、肘を伸ばして元の姿勢に戻してください。
次に踵上げです。これは下腿三頭筋や大臀筋を鍛えることができます。まず足を肩幅に開き、膝は伸ばしたまま踵を上げて5秒静止してから下ろしてください。立位が不安定な場合は、椅子の背などに手を添えて行いましょう。
次はランジです。これは、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングスなど下半身全体を鍛えることができます。まず立った状態から片足を前に踏み込みましょう。前に出した足に体重をかけていき、元に戻ります。反対の足も同じようにおこなっていきましょう。

まとめ

ここまで、レジスタンス運動の効果や方法を紹介してきました。どれも家で簡単にできるものばかりですね。
しかし無理は禁物。自分のできる範囲で無理なく、できれば毎日継続してみてくださいね。

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