人間ドックの腹部エコーでわかることは?検査の注意点も解説

コラム

人間ドックの検査の中には、腹部エコー検査という項目があります。これまでに人間ドックで検査をしたことがある方は「暗い部屋で上半身裸の状態で横になって受ける検査」と言えばわかるかもしれませんね。
検査者に指示される通りになんとなく横になって検査を受けているけれど、実は何の検査をしているのか詳しくはわからないという方も多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、人間ドックの腹部エコー検査とはどのような検査なのか、検査をしたことで何がわかるのかを解説していきます。
腹部エコー検査について知りたいなと思った方は、ぜひ参考に読んでみてください。

人間ドックの腹部エコー検査とは?

腹部エコー検査は、専用のゼリーを肌表面に塗り超音波を発生させるプローブ(超音波探触子)をあて、反射してきた超音波を解析し、画像にしたものを見ながら検査をします。超音波とは、人の耳で聞き取ることのできない2万ヘルツ以上の音域のことで、X線やCTのように放射線被ばくの心配がないので、安心して検査を受けることができます。
腹部エコー検査の時には技術者から「息を吸って、吐いて」という指示があります。これは、息を吸ったり吐いたりすることで、横隔膜を上下に移動させる目的があります。横隔膜の移動とともに臓器の位置も移動するため、見えにくかった臓器の状態をしっかりと確認することができるのです。また「体の向きを変えてください」と指示される場合もありますが、理由は同じで、臓器を移動させ検査しやすくするために体位変換を行います。腹部エコーの検査時間は約10分~20分程度と短く、受ける側にとっては比較的簡単な検査といえるでしょう。

人間ドックの腹部エコーでわかることは?

人間ドックでおこなわれる腹部エコー検査では、腹部にある肝臓、腎臓、膵臓、胆のうなどの臓器の動きをリアルタイムで見ることができます。検査を受けてわかることは、がんやポリープ、脂肪肝や肝硬変、胆石、出血や血流障害などです。
腹部の臓器の状態を詳しく知ることができる腹部エコー検査ですが、骨や空気を観察することは苦手というデメリットがあります。そのため、肺や骨などの異常を知るためには別途X線撮影などで検査をすることが必要です。

人間ドックで腹部エコーを受けるときの注意点は?

人間ドックで腹部エコーを受ける場合は、以下のことに気を付ける必要があります。

・夕食後以降は固形物を食べない
・腹部エコー検査前日はお酒を飲まない
・検査当日に脂肪分を含んだ飲料を飲まない

検査前に食事をしてしまうと、食べ物を消化しようとしてガスが発生するので、検査したい臓器が見えづらくなってしまいます。
腹部エコー検査をするときは、できれば12時間以上、最低でも6時間程度は絶食する必要があると言われています。人間ドックを受ける機関からの説明に、検査日前日の最終食事時間の案内があると思いますので、その指示通りに食事を終えましょう。

まとめ

人間ドックの項目にある腹部エコー検査は、超音波を使って内臓の詳細に調べることができます。超音波は水分との相性がいいため、血液の通り道である血管や心臓、肝硬変やがんなどが原因でたまる腹水などはとてもはっきりと画像で観察することができます。
しかし、検査前に食事をしてしまったり、乳製品の飲み物を飲んでしまったりすると、食べ物を消化するためのガスが発生してしまい、目的の臓器をはっきりと観察することができません。
検査の時の注意事項をしっかりと守って検査することで、正確な異常の有り無しがわかります。自身の健康を知るための大切な機会ですので、人間ドックで腹部エコー検査を受ける前日・当日は万全な状態で検査してもらえるように過ごしましょう。

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