ヒートショックとは?原因や予防法を解説
仕事で疲れたからお風呂にゆっくり浸かりたい、今日は寒かったからじっくりとお風呂に浸かって温まろうと思う日がありますよね。
しかし、寒い日のお風呂には危険が伴うことがあります。
こちらの記事では、お風呂に入るとき起きやすいヒートショックについて解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ヒートショックとは?
ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧があがったり下がったりして、体がダメージを受けることです。血圧の乱高下に体がついていけず、めまいや吐き気、頭痛などを起こし、重篤な場合は意識を失ってしまいます。
ヒートショックで特に注意が必要なのが入浴で、もしも湯船につかったまま意識をなくしてしまった場合、そのまま溺死してしまう可能性があります。
令和2年の消費者庁の資料によると、日本人の高齢者のうち、毎年約5000人が浴槽内で死亡しており、この数は交通事故で死亡する人の約2倍にのぼることがわかっています。
ヒートショックの原因は?
ヒートショックは11月~4月にかけての寒い日、温かいリビングから寒い脱衣所に行き、服を脱いですぐに熱い湯船に浸かることで起こりやすいといわれています。
浴室に入るときに体の中で起きている血圧の変化は以下のようになっています。
リビングの温かい部屋から寒い場所へ行くことで、体を冷やさないようにと副交感神経が働いて血管を収縮させて血圧が上昇
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寒い場所からいきなり熱いお湯に入ることで、熱さにびっくりした体の血圧がさらに上昇
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しばらく湯船に浸かっていると血管が温められて拡張し、血圧は急激に下降
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浴槽を出る時には寒さにより、急激に血圧が上昇
ヒートショックは高齢者に起こりやすいことは事実ですが、若年層であっても高血圧や肥満、飲酒後の入浴などでヒートショックを起こすことがあります。
特に10℃以上の温度変化がある環境に身を置くことでヒートショックになる可能性が高まりますので、浴室だけでなく、トイレなどを利用するときにも注意が必要です。
ヒートショックを予防する方法は?
ヒートショックを予防するには、なるべく温度差をなくすことです。
たとえば脱衣所に暖房器具を置いたり、浴室内をシャワーで温めたりすることはとても効果的です。
また、体が温まっていない状態で熱い湯船に入ると、血圧はさらに上昇してしまいます。
まずは、心臓から遠い場所から順にシャワーで体を温めてから、38℃~40℃の湯船に浸かりましょう。
また、湯船から出るときに急激に立ち上がってしまうと立ちくらみをおこしてしまうことがあります。
立ち上がるときはゆっくりと立ち上がりましょう。
ヒートショックになったときの処置は?
どんなに気を付けていてもヒートショックになってしまったとき、慌ててしまうことがあるかもしれません。
判断に時間をかけてしまうと、回復が遅くなってしまったり、最悪の場合死亡してしまったりする可能性があります。
なにかおかしいと思ったら、すぐに以下の処置をしてください。
・ 浴槽に入っているときに気分が悪くなったらまず浴槽の栓を抜く
・ めまいや立ち眩みが起きた時はゆっくりとその場に座る
・ 嘔吐するときは吐しゃ物が詰まらないように横向きにする
・ 締め付けるような胸の痛みがあるときは救急車を呼ぶ
・ そのほかいつもと違う痛みなどがあった場合は救急車を呼ぶ
まとめ
寒い日は、温かいお風呂に入ってゆっくりしたいなと考える方も多いのではないでしょうか?しかし、ここで気をつけなければならないのは、10℃以上の温度変化がある場所に移動すると、ヒートショックが起きる可能性があるということです。特に浴槽内でヒートショックが起きてしまうと、最悪の場合、誰にも気づかれないうちに溺死してしまうことも考えられます。
ヒートショックは、決して高齢者だけに起きることではありません。高血圧の方や飲酒をした方なども気を付けなければ危険です。自分は大丈夫と思わずに、ヒートショックを予防して、寒い日を元気に過ごしましょう!