トクホ(特定保健用食品)って?保健機能食品って何?

コラム

薬局やテレビコマーシャルなどでよく見聞きする「トクホ」や「保健機能食品」。なんとなく体によさそうなのはわかるものの、実際にどういったものなのかは知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回は「トクホ」を中心に、「保健機能食品」についてご紹介します。

トクホ(特定保健用食品)とは

トクホの正式名称は「特定保健用食品」です。「保健効能成分(関与成分)」が含まれ、その摂取が健康の維持・増進に有用であるとする旨を製品に表示してよいと、消費者庁から許可された食品のことをいいます。

現在認められている表示には、『おなかの調子を整える』『血糖・血圧・血中のコレステロールなどを正常に保つことを助ける』『骨の健康に役立つ』などがあります。

トクホとして保健機能の表示許可を得るためには、関与成分の有効性・安全性について国の審査を受けクリアしなければなりません。特定の試験機関による関与成分の含有量分析も行われます。これらの審査を無事クリアした食品のみ、保健機能について表示することが許可されます。

トクホ(特定保健用食品)には以下の5種類があります。

● 特定保健用食品
国による有効性および安全性の審査をクリアして、健康の維持・増進に役立つまたは適するとの旨を表示することが認められた食品。

● 特定保健用食品(疾病リスク低減表示)
当該関与成分が病気(疾病)発現のリスクを下げるという作用・効果が医学的・栄養学的に明らかとなっている場合に、その表示が認められる食品。現在、カルシウム・葉酸の2つが、疾病リスク低減表示の許可を受けている。

● 特定保健用食品(規格基準型)
すでにトクホとしての実績があるなど、科学的根拠が十分と判断された場合、適合性に関する審査のみで表示が許可される食品。

● 特定保健用食品(再許可等)
すでに許可を得ている食品のうち、たとえば商品名や風味などの軽微な変更が行われたもの。

● 条件付き特定保健用食品
有効性に関する科学的根拠がトクホの審査要求レベルに達していないものの、一方で、ある一定の有効性が認められている場合に、「科学的根拠が限定的である旨の表示をすること」を条件として許可された食品。

トクホと機能性表示食品・栄養機能食品との違い

関与成分の健康増進作用を表示できる食品として、トクホ(特定保健用食品)以外に「栄養機能食品」「機能性表示食品」があります。この3種をまとめて「保健機能食品」といいます。
栄養機能食品・機能性表示食品の特徴は以下のとおりです。

● 栄養機能食品
栄養機能食品とは、ビタミン・ミネラルなど、健康の維持に必要とされる特定の栄養素の補給を目的とした食品のことをいいます。科学的根拠が十分に示されている栄養成分の機能を表示することができます。
栄養成分の含有量が国の基準内であれば、国の審査や許可は不要です。

機能性表示食品
機能性が分かりやすく表示された食品の選択肢が増えるようにと、2015年新たに「保健機能食品」として追加されたのが機能性表示食品です。
有効性・安全性の科学的根拠といった情報を事業者が消費者庁へ届け出て、それが認められれば、トクホと同様に、健康の維持・増進に有用とする内容を表示することができす。国による審査は不要とするかわりに、科学的根拠の立証・表示・情報提供にいたるまでを、事業者が責任を負って販売するというのが機能性表示食品の特徴で、トクホと大きく異なる点です。

まとめ

治療・治癒を目的とする医薬品とは異なり、保健機能食品は健康増進を目的とするものです。たくさん摂取すればより健康になれるというものではなく、まずは何といっても、食事や運動など生活習慣の改善が大切です。
各保健機能食品の特徴・保健機能を確認し、食生活に合わせて有効に活用できるとよいですね。

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