その浮腫、大丈夫?危険な浮腫を見極めよう!

コラム

日常的に誰でも経験したことがある浮腫。前日にアルコールを摂取しすぎたり、塩分をとりすぎたりすると起きてしまいますよね。
しかし実はむくみにも危険なものがあるのです。今回は、危険なむくみについて紹介していきます。

危険なむくみとは

むくみとは、毛細血管から水分がしみ出し、周りの細胞層に水分が過剰に溜まった状態のことです。むくみがあっても、特に心配のない場合も多いですが、危険な病気のサインの場合もあるのです。たとえば表面ではなく、全身の血管に血液を送るポンプとしての心臓、血液から尿を作り水分の量を調節する腎臓、血管やリンパ管など、さまざまな臓器の病気でむくみが起こることもあるのです。心配な場合は、必ず医療機関を受診しましょう。
危険なむくみのチェック項目はいくつかあります。たとえば、この数時間でむくんできたのか、あるいは数日、何週間も前からのものなのか。また、全身あるいは一部に皮膚の色や性状の変化、痛みがあったり熱をもったりしていないか、いつもと違ったところはないか、などです。また、発熱などの症状や現在治療中の病気やのんでいる薬、サプリメント、アルコールとタバコの情報もきちんと把握しておき、医師に伝えるようにしましょう。

危険なむくみの事例


ここからは、危険なむくみの事例を紹介していきます。トラックの運転手をしているAさん。2日前から右のふくらはぎが急にむくみ始めます。全体が赤くなって痛みがあり、熱をもっている様子。しかしけがをした覚えはありません。また、今朝からは咳が出て、動悸、息切れ、息苦しさを感じ、息を吸うと胸が痛むという症状がありました。このケースは、急いで救急車を呼んで病院に行く必要があります。脚の静脈に血液の塊・血栓がつまる「深部静脈血栓症」の可能性があるからです。息苦しさなどの症状は、脚にできた血栓が静脈を通って肺の血管を塞いでしまう「肺塞栓症」の可能性も。これはいわゆる、エコノミークラス症候群です。タクシーやバス、トラックの運転手など、同じ姿勢が長い間続く職業の人などに多いです。命にかかわる危険な病気のため、救急車を呼んでください。。失神を起こすこともあるので、決して自分で車を運転してはいけません。
Bさんは、2週間ほど前から左腕にかゆみを感じていました。2、3日前から二の腕が腫れていき、触ると痛みがあり、熱をもっているように感じます。昨夜から悪寒がして体温を測ると38.5℃。このケースは、その日のうちに医療機関を受診しましょう。蜂窩織炎(ほうかしきえん)という疾患の可能性があるからです。これは皮膚と皮下組織に細菌が感染し炎症が広がった状態です。かき過ぎて皮膚が傷つき、細菌が侵入したと考えられます。放っておくと炎症が広がって危険な状態になりますが、抗菌薬などで早めに治療すると、10日ほどで治る場合が多いです。早期発見が重要なので、その日のうちに受診して治療を開始してください。

むくまないための生活改善


むくみは誰にでも起きることです。危険なサインがなければすぐに受診する必要はありませんが、むくんでいるという状態は健康的とはいえません。放置せずに日々の生活を見直して改善していくことが大切です。たとえば、立ち仕事が続く場合は立っているだけでなく、なるべく歩いたり運動をしたりする、弾性ストッキングを履く、むくんだ脚などを高く上げるなどの対処も必要です。また、食生活で塩分が多かったり、水分不足の可能性もあります。2、3日セルフケアをしても効果がない、悪化するような場合は必ず医療機関を受診して相談して下さい。

まとめ

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