お酒と上手に付き合おう!肝臓との関係とは?

コラム

お酒を飲み過ぎると肝臓に良くないということは有名ですよね。しかしどのように悪いのか、また、なぜ肝臓にお酒が悪影響してしまうのかを知っている人は少ないと思います。今回は、その原因と、お酒と上手に付き合う方法を紹介します。

酒の飲み過ぎが肝臓によくないのはなぜなのか


お酒の飲み過ぎが肝臓に良くないのは、有害物質が肝臓を傷つけ脂肪蓄積を促すためです。体内にアルコールが入ると、肝臓で酵素が働いて「アセトアルデヒド」という物質に分解されます。アセトアルデヒドは人体に有害な物質ですが、最終的には水と二酸化炭素にまで分解され、体外に排出されます。しかし、過剰に飲酒すると、アセトアルデヒドが多量につくられることにより、悪影響を及ぼしてしまうのです。飲み過ぎで頭痛や吐き気が起こるのは、アセトアルデヒドの強い毒性が原因です。アセトアルデヒドは活性酸素を介して肝細胞を傷つけ、さらには脂肪の分解を抑制し、肝臓に中性脂肪の蓄積を促してしまいます。そのため、長期の過剰飲酒は、まず脂肪肝を招き、多くのトラブルにつながるのです。

飲み過ぎが原因で起こる肝臓トラブル


飲み過ぎで起こる肝臓トラブルは主に、脂肪肝、アルコール性肝線維症、肝硬変です。過剰な飲酒で最初に問題になるのは、中性脂肪が肝臓に蓄積する脂肪肝です。この脂肪肝が慢性的に続いた状態でアルコールを大量に摂取すると、肝細胞に炎症が広がったり、アルコールを分解する際に生じる活性酸素などが細胞を破壊し、肝障害になってしまうのです。心配される肝障害一つ目は、アルコール性脂肪肝です。中性脂肪が過剰にたまり、肝臓が全体的に肥大する。進行すると疲れやすいなどの症状が現れてしまいます。
 肝障害二つ目は、アルコール性肝線維症です。脂肪肝を改善せずに飲酒を続けると、広範囲にわたって細胞に炎症が起こり、線維が沈着し、疲労感、体重減少、食欲不振などを引き起こしてしまいます。
 三つ目は、肝硬変です。炎症が持続すると線維の沈着がさらに増え、肝循環の悪化が進んでしまいます。進行すると黄疸、腹水などが発生する。肝がんのリスクも格段に高くなるのです。

肝臓に負担をかけずに酒を飲む方法


肝臓に負担をかけずにお酒を飲む方法は、適量を知り、水・野菜を摂取しながら酒を飲むことです。お酒にはリラックス作用や血行促進作用など有益な働きもたくさんあります。適度な量を守っていれば、酒は寿命を延ばす「百薬の長」でもあるのです。肝臓に負担をかけない酒の適量をよく知っておくことが大切ですね。目安としては、ビールなら中瓶1本、日本酒は1合、チューハイアルコール度数7パーセントは350ミリリットル缶1本、ウイスキーはダブル1杯ほどが適量です。飲み方を少し工夫するだけで、肝臓への負担を少なくすることができます。また、強い酒は、水と交互に飲む、タンパク質・ビタミン・食物繊維を含む食品をつまみにする、なるべく会話をしながらゆっくり飲む、週に2日は休肝日をつくり、肝臓を休ませるなどが大切です。食物繊維を多く含む食品は、アルコールの吸収を緩やかにします。飲酒時には、野菜をたっぷり食べ、高カロリーの物を控えると、脂肪肝を防ぎ、肝臓への負担を減らすことができます。

まとめ


ここまで、お酒が肝臓に悪い理由や、肝臓に負荷をかけずにお酒を飲む方法を紹介してきました。お酒は完全に断つ必要はありません。適度に楽しむことで、ストレスもなく健康的に過ごすことができます。ぜひこれらのことを参考にして、上手にお酒と付き合ってみてくださいね。

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