【人間ドックの検査項目】聴力検査で何を調べているの?

コラム

人間ドックの検査項目にある、聴力検査。「毎回どんなことを調べているのかな?」「聴力検査をしてわかる病気はどんなものかな?」「検査結果ってどうやって見るの?」と気になることがありませんか?
こちらの記事では、
 人間ドックの聴力検査で何を調べているのか
 聴力検査をしてわかる病気は何か
 聴力検査の方法
などについて解説しています。
人間ドックでおこなう聴力検査で「いつも何を調べているのか気になっている」「どんな病気があるのか不安」という方は、ぜひ参考にご覧ください。

聴力検査で何を調べている?

聴力検査では、1000Hz(低音域)と4000Hz(高音域)の高音や低音を、耳が聞き取れるかを調べています。Hz(ヘルツ)とは音の振動数のことで、振動数が多いと高音、少ないと低音に聞こえます。
なお、1000Hzは女性の話し声くらいの高さで、4000Hzは小鳥のさえずりくらいの高さとなっています。

聴力検査でわかる病気

人間ドックで聴力検査をした結果、判明する可能性がある病気には以下のようなものがあります。
 中耳炎
 耳管狭窄
 騒音性難聴
 突発性難聴
 メニエール病
それぞれどのような病気か解説します。

中耳炎

中耳炎は、中耳がウイルスや細菌に感染して炎症をおこしているものです。症状は、耳が聞こえにくくなる、耳が痛くなる、耳から膿のような液体が出る(耳だれ)、発熱などがあります。

耳管狭窄症

耳管狭窄は、風邪などによる炎症が原因で、耳管がふさがってしまう症状です。車でトンネルに入ったときのように耳が詰まった感じがしたり、自分の声や呼吸の音が響くように聞こえたりします。

騒音性難聴

騒音性難聴は、工事現場など騒音がする職場で長期間働くことで、徐々に進行する難聴です。聞こえにくさのほか、耳鳴りが伴うことが大半です。

突発性難聴

突発性難聴は、突然耳が聞こえなくなる、原因不明の難聴です。完全に音が聞こえなくなるケースや、耳が詰まった感じがするだけのケースなど、人によって症状はさまざまです。発見が遅れるほど治療の効果は薄れると言われていますので、できるだけ早めに医療機関を受診して治療を開始することが重要です。

メニエール病

メニエール病は、耳が圧迫されるような感じと難聴が起こります。その他、日常生活に支障が出るほどの回転性めまいが起こると言われています。回転性めまいとは、自分は動いていないのに、周りがグルグルと回転しているように感じるめまいのことです。

聴力検査の方法



人間ドックで行われる聴力検査は、聴力検査用の防音室に入りヘッドホンを付けて、片耳ずつ異なる音域の音を聞きます。音が聞こえたら、聞こえている間、手元のスイッチを押し続けます。
聴力検査の音の大きさは、基本的に30~40 dB(デシベル)で検査されます。dBとは音の大きさを表す単位のことで、30dBは小さなささやき声くらい、40dBは図書館にいる時くらいの音の大きさです。

聴力検査の結果の見方

聴力検査の結果は、1000Hz、4000Hzともに以下のように見ます。
 30 dB以下:基準範囲
 35 dB:要注意
 40 dB以上:異常
ただし、4000Hzの高音域は、年齢が高くなるにつれ聞こえにくくなります。高齢者の場合は4000Hzが40 dB程度聞こえていれば、異状なしとされることもあります。

まとめ

耳の聞こえにくさは自分で気付けないことも多いため、知らないうちに症状が進行している場合があります。そのため、人間ドックの検査項目にある聴力検査をおこなうことで初めて、自分でも気づいていない聴力の低下に気付くこともあります。
人間ドックで聴覚検査をおこなうことで、自分の聞こえの状態を定期的に確認しておくと安心して日々を過ごすことができるでしょう。

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