【人間ドック】尿酸値ってなに?高くなる原因や症状を解説
尿酸値は血中に含まれる「尿酸」の値のことで、人間ドックでおこなわれる検査項目のひとつです。
尿酸とは、食品や細胞核(DNAやRNA)に含まれるプリン体が代謝されてできる老廃物のことをいいます。尿酸は通常であれば血流にのって腎臓に運ばれ、尿と一緒に体外に排出されますが、量が多いと排出されずに血中の尿酸値は高くなってしまいます。
尿酸値は、血液検査をすることで測定が可能です。
2.1mg/dl-7.0mg/dl以下が正常範囲とされており、7.1mg/dl以上は要注意と判断されます。
尿酸値が高くなる原因
尿酸値が高くなる原因には以下のことがあります。
プリン体の多い食品の過剰摂取
水分の摂取不足
激しい運動
肥満
遺伝
それぞれ解説していきます。
プリン体の多い食品の過剰摂取
プリン体を多量に含む食品を食べすぎると尿酸が作られる量が増えますが、尿酸を排出できる量はある程度決まっています。
そのため、過剰に作られた尿酸は体外に排出されずに血中に残り、尿酸値が高くなります。
水分の摂取不足
水分の摂取量が少ないと尿を作る量が減ってしまい、結果、尿酸も体外に排出されません。尿酸値が高い場合は1日に2リットル以上の水分を摂って、尿を出すことが望ましいとされています。
このときに摂取する水分は、ジュースなどの糖分を多く含む水分は肥満の原因となりますので、水やお茶を摂るようにしましょう。
激しい運動
運動は体に良さそうですが、激しい運動はNGです。激しい運動により大量の汗をかくと体内の水分が減ってしまい、尿が出なくなるため尿酸値が高くなります。また、代謝が上がることで、尿酸を作り出すペースも早くなってしまいます。
運動をするのであれば、有酸素運動やストレッチなどがおすすめです。
肥満
肥満になると糖代謝をおこなうためのインスリンが大量に分泌されます。しかし、このインスリンには尿酸の排出を抑制してしまう働きもあり、尿酸値が高くなってしまうことに。
肥満の人は体重を落とすことで、インスリンの分泌量も減り尿酸値も改善することがわかっています。
遺伝
家族に尿酸値の高い人がいる場合、遺伝が原因で尿酸値が高くなる可能性があります。
この場合は、食事や生活習慣を見直しても改善は見込めません。薬による治療が必要となりますので、医療機関を受診しましょう。
尿酸値が高いときの症状
尿酸値が高いだけでは特に自覚症状はありません。しかし進行すると、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
痛風
痛風腎
尿路結石
それぞれ解説します。
痛風
痛風は、排出されずに残った血中の尿酸が結晶化し、はがれ落ちることで激痛が引き起こされます。足の親指の付け根や足の甲、アキレス腱やひざ関節など、痛みを感じる場所はさまざまです。
字のとおり、風が吹くだけでも激痛が走りますが、症状は数日程度で改善していきます。しかし、適切な治療をしなかったり、もらった薬を途中で辞めたりすると、何度も繰り返すことがわかっています。
痛風腎
痛風腎は、尿酸が蓄積して結晶化したものが腎臓にたまったものです。痛風と違い痛みを感じることがなく、気付くまでに時間がかかることもあります。
最悪の場合、透析が必要になることもありますので、人間ドックで尿酸値が高いと診断された場合には注意が必要です。
尿路結石
腎臓や尿管に結石ができたものを尿路結石といい、痛みがあるものから無症状のものまでさまざまです。
尿の成分が酸性に近づくことで、尿路結石ができやすいといわれます。
まとめ
人間ドックでおこなわれる血液検査では、尿酸値の異常を知ることができます。多少高い程度では自覚症状を感じることがないため、放置してしまうこともあるかもしれません。
しかし、いざ症状が出たときには、早めに治療をしておけば良かったと思うことになるでしょう。
人間ドックの尿酸値の検査項目をしっかりと確認し、もしも高い場合には基準内に収まるように生活の見直しを図ることをおすすめします。治療が必要なほど値が高い場合には、早めに医療機関を受診して症状を改善しましょう。