「テレワークうつ」とは?原因や予防方法を解説

コラム

新型コロナの流行を機に急速に広まった「テレワーク」ですが、「時間を有効に使える」などのメリットがある一方で、「テレワークうつ」と呼ばれるうつ症状に悩む人が増え問題となっています。
今回は、「テレワークうつ」の原因や予防方法について解説します。

テレワークでなぜうつが?


テレワークは「満員電車などでの通勤ストレスが減る」「わずらわしい人間関係から開放される」「時間を有効に使える」などのメリットにフォーカスされがちですが、その一方で「うつ症状」を引き起こす原因にもなっています。
テレワークでうつが発症する原因として、以下の要素が考えられます。

● 仕事とプライベートの切り替えが難しい: 職場と自宅が一体化すると、仕事と私生活の区切りがつけにくい。また、本来くつろぐ場所であるはずの自宅が仕事場になるため、無意識に緊張が続き心身が休まらないということもある。
● コミュニケーション不足: 以前は職場の人間関係がストレスだと感じていたものの、人とほとんど話さないような生活が続くと、日々の様々な気持ちを吐き出す機会がなくなってしまう。
● 運動不足:通勤や社内の移動などこれまで無意識に体を動かしていた様々な機会がなくなり、活動量が極端に減少。極端な運動不足は、うつ病を引き起こす大きな原因のひとつになる。
● 正しく評価されていないと感じる:テレワークでは、結果のみのやりとりで終わってしまう傾向がある。プロセスに対する評価やフィードバックがなく、「頑張っても意味がない」などモチベーションの低下につながりやすい。

テレワークうつの症状

テレワークうつの症状は、肩こり・頭痛・発熱・腹痛・下痢・睡眠障害・倦怠感といった身体的なものに加えて、下記のような精神的な症状が特徴的です。

● 集中力が続かない
● 効率よく行動できなくなったように感じる
● 孤独感を強く感じる一方で、人と会うこと自体が億劫になった

仕事をしている時間以外にもこのような症状が慢性的にみられるようになり、かつ適切に対処せず放置していると、そのまま本格的なうつ病を発症してしまう可能性もあります。

うつ病という診断に至ってしまうと、医療機関での長期にわたる専門的な治療が必要になることも少なくありません。予防とともに、「もしかして、うつなのかも・・・?」と思い当たるふしがあれば、先送りせず早めに対応することが大切です。

テレワークうつにならないためにできること


テレワークうつの予防に最も重要なのは、仕事の「オン」と「オフ」のメリハリをつけることです。

● 休憩時間には作業場所を離れる:一日中ずっと同じところに座ったままでいることが健康によいはずがありません。休憩時間を利用してちょっと外に出てみるなどして、物理的に仕事場から離れる時間を持ちましょう。
● 仕事が終われば業務用デバイスの電源を切る:テレワークでは、手を伸ばせば、パソコンなどの業務端末にいつでも・いくらでも触ることができてしまいます。仕事が終わればオフにして、業務時間外は見えないところにしまっておくなど、オンオフをはっきり区別できるように工夫しましょう。
● 運動を取り入れる:運動とメンタルヘルスの関係は様々な研究で明らかになっています。たった25分のウォーキングでも心理学的効果があるとする研究結果もあります。ウォーキングのような軽い運動でもよいので、デスクから離れて、少しでも体を動かす時間を確保しましょう。

まとめ


テレワークをしていて「これはひょっとして、うつかも・・・」と感じるような場合は、迷わず誰かに相談してみるか、あるいは医療機関を受診するようにしましょう。症状が悪化する前に、適切な処置をすることが重要です。

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