体の疲れは鉄分不足のせいかも。摂取量やおすすめ食材を紹介

コラム

「毎日しっかりご飯も食べて寝ているのに疲れやすい」
「度々めまいがしてつらい」
こういった症状がある場合、原因は鉄分不足かもしれません。
鉄分不足と体の疲れやすさには、実は深い関係があります。本記事では、鉄分不足でなぜ体が疲れるのか、鉄分が不足する原因は何かなどについて解説しています。
体の疲れが気になる方は、ぜひ参考にご覧ください。

鉄分とは

鉄分は人の体に必要不可欠なミネラルの一種です。ミネラルとは、体を構成する酸素・炭素・水素・窒素以外のものの総称です。鉄分は体内で作ることができないため、食事から摂取する必要があります。
鉄分の主な働きは以下のとおりです。
 体中に酸素を運搬
血液は赤血球・白血球・血しょうで成り立っています。この中の赤血球には、鉄分を多く含むヘモグロビンが存在しています。
ヘモグロビンは体中に酸素を運搬する働きをしていますが、鉄分が不足するとヘモグロビンの量が減少し、酸素の運搬する力が低下します。
 ミオグロビンの生成
ミオグロビンは鉄分を含むたんぱく質で、筋肉中に存在しており、酸素を蓄え、運搬する働きをしています。
鉄分が不足するとミオグロビンの生成が減少しますので、筋肉に酸素が行き渡らなくなります。

体の疲れは鉄分不足

鉄分が不足すると以下のようなことが起こり、体に疲れが出ます。
 貧血
 筋肉の機能低下

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、鉄分不足でヘモグロビンの量が減少したことにより起こる貧血です。全身に酸素が十分運搬されずに、めまいや息切れ、頭痛、集中力の低下などの症状があらわれます。

筋肉の機能低下

鉄分が不足すると、筋肉に酸素を運搬しているミオグロビンの生成量も減少します。そうすると、筋肉に酸素が行き渡らなくなるため、筋力が低下したり、疲労を感じたりします。

鉄分が不足する原因

鉄分は体内で作ることができませんので、食事で摂取することが必要です。そのため、食事の時に十分な量の鉄分が摂取できていないと、鉄分不足になります。
また、鉄分を摂取しても、鉄分の吸収を妨げる食品を一緒に大量に摂取してしまうと、鉄分不足になりますので注意が必要です。
女性の場合は、妊娠や月経などによっても鉄分が不足することがあります。

1日に摂取すべき鉄分の量

厚労省による「鉄の食事摂取基準」では以下のように推奨されています。単位はmg/日です。
男性の場合
 18~29歳:7.0
 30~49歳:7.5
 50~69歳:7.5
 70歳以上:7.0

女性の場合
 18~29歳:月経なし6.0/月経あり10.5
 30~49歳:月経なし6.5/月経あり11.0
 50~69歳:月経なし6.5/月経あり11.0
 70歳以上:6.0
 妊娠初期は年齢プラス2.5、中期・後期はプラス15.0
 授乳期は年齢プラス2.5

おすすめの食材

食事から摂取できる鉄分は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に分けられます。
ヘム鉄は、赤身の肉や魚などの動物性の食物に多く含まれています。吸収率が15~25%と高く、他の食品と一緒に摂取しても吸収を妨げられにくい特徴があります。
一方、非ヘム鉄は豆類や野菜、海藻などに含まれています。非ヘム鉄の吸収率は2~5%と低く、また、他の食品によって吸収を妨げられやすい特徴があります。
積極的に摂取したい鉄分を含む食材ですが、妊娠中の場合は食べ過ぎない方が良い食材もありますので、摂取量を確認するようにしてください。

ヘム鉄を多く含む食材

 レバー(鶏・豚・牛)
 牛肉(赤身)
 いわし
 さんま
 まぐろ
 卵

非ヘム鉄を多く含む食材

 小松菜
 ほうれん草
 大豆
 ひじき
 あさり
 アーモンド
非ヘム鉄は、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂取すると、吸収率を高められるといわれています。非ヘム鉄を摂取する時には意識して食べるようにすると良いでしょう。

まとめ

鉄分が不足するとヘモグロビンが減少してしまい、体の中が酸素不足になってしまいます。そのため、体が疲れやすくなったり、仕事に集中できなくなったり、家事をしている時にめまいがしたりすることもあります。
鉄分は体内で作れませんので食事の時に意識して摂取することが必要ですが、それでも不足してしまうことも。そのような場合はサプリメントなどを取り入れてみるのもおすすめです。

関連記事一覧