大腸はどんな働きをしている?
体の中に「大腸」があることは知っているけれど、どんな働きをしているか知らない人も多いのではないでしょうか。
本記事では大腸の働きについて解説していますので気になる方は参考にお読みください。
大腸がある場所
私たちが毎日食べている食べ物は、口から食道、胃、小腸を通ったあと、大腸に到着します。
大腸はお腹の中をぐるりと大きくひと回りするように位置していて、小腸から大腸に変わる部分に盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸S状部、上部直腸、下部直腸、そして最後に肛門と続いています。
大腸の大きさは、直径5~8cm、長さ1.5~2mほどで、食べ物を食べてから大腸に到着するまでの時間は約4~5時間。食べ物を食べてから便として排出されるまでは、トータルで約24~72時間かかるといわれています。
大腸の働き
大腸の働きは、体の中の不要なものを体の外へ排出することです。
胃などで消化・分解された食べ物は小腸でさらに分解・栄養を吸収し、液体の状態で大腸に到着します。大腸では、小腸で吸収しきれなかったカリウムやナトリウムなどのミネラルや水分、その他の栄養素を吸収し液体の便から固形の便にしていきます。便は大腸がゆるんだり縮んだりする蠕動(ぜんどう)運動によって肛門までゆっくりと運ばれ、ある程度の便の量が溜まったら排出されます。
さらに大腸は、約1000種類以上、100兆個もの腸内細菌の住み家となっています。
腸内細菌は、体を守る善玉菌・体に悪さをする悪玉菌・どちらにも属していない日和見菌の3つに分類されます。
善玉菌は腸の働きを活発にして病原菌による感染を予防したり、発がん性のある腐敗産物の産生を抑制したりして腸内環境を作っています。
一方、悪玉菌はたんぱく質を分解し腐敗させて便にしています。悪玉菌も無くてはならない腸内細菌ではありますが、分解する際に毒性の物質を作り出し体に悪い影響を与えますので、悪玉菌が増え過ぎないように注意しなければなりません。
腸内細菌の理想のバランスは善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7といわれています。日和見菌は量が優勢な菌と同じ働きをしますので、少しでも善玉菌が多い状態を保つことが大切です。
大腸を健康に保つためには
大腸の働きが悪くなると便秘や下痢になりますので、大腸を健康に保つために以下のようなことを心がけて生活しましょう。
食物繊維をとる
ストレスをためない
食物繊維をとる
食物繊維は小腸で吸収されることなく大腸に届き、便秘を予防します。また、善玉菌のエサとなって大腸内の環境を改善する効果もあります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020版)」によると、18~64歳が目標とする食物繊維の摂取量は男性が21g以上、女性が18g以上です。
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とがあり、それぞれ効果は異なります。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の理想的な摂取バランスは1対2とされていますが、体調が悪いときには水溶性食物繊維は控えるようにしてください。
水溶性食物繊維を多く含む食材は、りんご・ひじき、こんにゃく、大麦、にんにくなど。不溶性食物繊維を多く含む食材は、さつまいも・きのこ類・大豆などがあります。
ストレスをためない
大腸の蠕動(ぜんどう運動)は自律神経によりコントロールされています。そのため、ストレスをためると大腸の働きが悪くなってしまいますので、ストレスをためないようにしましょう。
まとめ
大腸は体に不要となったものを排出する働きがあります。大腸の調子が悪くなってしまうと、下痢や便秘などになってしまうため、いつでも元気な大腸を保つように心がけたいですね。