食物アレルギーは大人になってから急に発症することもある?

コラム

食物アレルギーとは、食べた食物が原因となり蕁麻疹や湿疹、下痢や咳などの症状が起きることで、最悪の場合は死に至ることも。
体には細菌やウイルスから守る免疫反応が備わっていますが、この免疫反応に異常が生じて過剰に反応することでアレルギー反応が起こります。
こちらの記事では、食物アレルギーは大人になってから急に発症することがあるのか、食物アレルギーかどうかの検査方法について解説しています。
もしかして食物アレルギーかもと悩まれている方は参考にご覧ください。

大人が急に発症する3つの食物アレルギー

食物アレルギーは「子どもの頃からずっとアレルギーなのでは?」と思われがちですが、実は大人になって発症するケースも多くあります。
大人が急に発症するアレルギーには以下3つのタイプがあります。
●即時型食物アレルギー
●口腔アレルギー症候群
●食物依存性運動誘発アナフィラキシー
それぞれ何が原因で食物アレルギーを発症するのかを解説していきます。

即時型食物アレルギー

即時型食物アレルギーは食物を食べてから約2時間以内に皮膚のかゆみや蕁麻疹、のどの違和感や下痢などの症状があらわれます。
乳幼児から大人までの幅広い年齢で発症するアレルギーで、大人の場合は疲れがたまっている時や体調が悪いときに急に発症します。

口腔アレルギー症候群

大人が急に食物アレルギーを発症する理由に、花粉症が大きく関わっていることがわかってきました。果物や野菜の中には花粉症の原因物質と似ている構造を持っているものがあります。
そのため花粉症を発症している人が特定の果物や野菜を食べると、口の中がかゆくなったり腫れたりします。
例えばスギやヒノキで花粉症の症状が出る人は、トマトを食べると食物アレルギー反応も起こる可能性があります。
同じようにブタクサで花粉症の症状が出る人は、メロンやスイカ、キュウリやバナナで食物アレルギー反応が起こる可能性が考えられます。

食物依存性運動誘発アナフィラキシー

特定の食物を食べたあとに運動をすることでアナフィラキシーを起こします。アナフィラキシーとは、アレルギー反応により皮膚症状や消化器症状、呼吸器症状が複数同時かつ急激に出現した状態です。
さらに血圧が低下したり意識レベルが低下したりしている状態をアナフィラキシーショックといい、早急に対応しなければ命の危険があります。
この食物アレルギーが発症する原因ははっきりとわかっていませんが、運動で腸内活動が活性化されることで、原因物質が体内に吸収されやすくなっているのではないかと言われています。
特定の食物を食べたあとの運動のほかに、体調不良やストレス、疲労の蓄積でも誘発される可能性がありますので、注意が必要です。

大人の食物アレルギーを検査する方法

大人が急に食物アレルギーを発症した場合の検査方法は主に以下の通りです。
●医師による問診
●血液検査
●皮膚プリックテスト
医師の判断によって上記以外の検査方法で行われる場合もあります。

医師による問診

医師による問診では、どんな状況でどんな食べ物をどれくらいの量食べたのか、食べ物を食べてどれくらいの時間で発症したのかなどを詳しく確認します。
また口の中が腫れていないか皮膚に蕁麻疹が出ていないかなどもしっかりとチェックします。

血液検査

食物アレルギーを検査するための血液検査では、ある程度、原因と思われる食べ物を絞り込んで検査をおこないます。
絞り込んだ食べ物に対して、アレルギー反応を引き起こす原因物質がどれくらいあるのかを調べることができます。

皮膚プリックテスト

皮膚プリックテストでは以下の流れで検査をおこないます。
1. アレルギーの原因と思われる食べ物の成分を皮膚に付ける
2. プリック針を皮膚に刺し、ほんの少量の原因物質を入れる
3. すぐに皮膚表面に残った食べ物の成分をふき取る
4. 15分後にどのような反応が出るかを確認する
蚊に刺されたような膨らみがみられる場合は、陽性の可能性が高いと判断されます。

まとめ

大人になるまで当たり前に食べられていたものなのに、急に蕁麻疹がでたり口の中がかゆくなったりすると、「急にどうして?」と思うこともあるでしょう。
このとき試しにもう一口食べてみようということはせずに、医療機関を受診して相談や検査をするようにしましょう。
検査の結果が出れば、今後どのように対象の食べ物を食べればよいか知ることができ、安心できますよ。

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