毎日の蓄積した疲れを早く取る方法とは?
毎日の仕事や家事、育児、運動などで疲れが溜まっているという人は多いと思います。しかし疲労が蓄積すると、体調は悪化し、思考能力の低下にもつながってしまいます。今回は疲れのメカニズムと疲労回復するための方法について紹介していきます。
疲労のメカニズムとは
そもそも疲労とは、「過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」と定義されています。疲れを感じているときは、心身に過度な負荷がかかっているということです。つまり、人間が生命を維持するために感じるサインなのです。つまり、心身の活動を抑えることで体を守ろうとしている状態であるとも考えられますね。
そして近年の脳科学研究により、疲れの発生メカニズムが徐々に解明されてきています。心身に負荷がかかると、副交感神経機能の低下、酸化ストレスの増加、修復エネルギー産生の低下、サイトカインによる炎症と神経伝達機能の抑制の5つの反応がおき、これらが疲労を起こしていると考えられています
疲労の種類
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疲労は、「末梢性疲労」と「中枢性疲労」にの二種類に分類することができます。
まず末梢性疲労は、体の疲れです。体を動かし続けると、筋肉では蓄えられたエネルギーが枯渇し、血流は悪くなり、神経から筋肉の神経伝達が遅れるようになって、筋肉のパフォーマンスは低下していきます。また、運動によって傷ついた筋肉では炎症が起き、筋肉痛といった症状となって現れることもあります。
一方で中枢性疲労は、脳の疲れです。これは脳や体を使った程度とは比例せず、心理的・精神的な疲れによるものだと考えられています。例えば、過度な緊張や長時間続く会議の後などに、ぐったり疲れを感じることはありませんか?ストレスの感じ方は、中枢性疲労の発生に強く関連しています。ストレス刺激が脳内で大きくなると、筋肉の疲労と同じような反応が起き、次第に脳細胞がダメージを受けて疲労を感じるのです。
疲労を回復させる方法
ここからは、疲労を回復させる方法を紹介します。
最も効果的な方法は、良質な睡眠をとるということです。睡眠は脳や体の休息時間であり、疲労を回復させるために一番重要です。質の良い睡眠をとるためには、適度な運動をする、入浴で体を温めリラックスする、眠る3時間ほど前までに食事を済ませるということが大切です。また、食事は糖質、脂質、タンパク質のバランスに加え、ミネラルやビタミン類もしっかり摂るようにしましょう。そして、生活リズムを整えることも大切です。生活リズムが不規則になると、睡眠の質の低下や、食生活の乱れにもつながってしまいます。ONとOFFとメリハリをつけ、意識して休息時間を確保することが大切ですね。
また、疲れているときには、ビタミンB群やカルシウム、鉄といったミネラルは特に意識して摂ることがおすすめです。ビタミンB群は、エネルギーの代謝に重要な役割を果たしています。カルシウムは、骨だけではなく細胞の機能を正常に保つために必要で、不足している人が最も多いそうです。鉄分も酸素を運ぶ赤血球を作るために重要で、カルシウムと並んで不足しがちな栄養素です。また、疲れたときは甘いものが欲しくなりますが、糖質の摂りすぎはビタミンB群の欠乏につながるため、ほどほどにしましょう。
まとめ
ここまで、疲れを早く取る方法について紹介してきました。厚生労働省の調査では、日本で疲労感を自覚している人の割合は、就労人口の約6割にのぼると報告されていて、誰しも避けられない症状です。慢性的な疲労は、思考能力や注意力の低下、行動量の低下、眼のかすみ、頭痛、肩こり、腰痛などの症状を引き起こしてしまいます。疲労を感じたときは、早めに十分な休息や睡眠をとることがなによりも大切ですね。