夏は特に注意!プール熱とは?

コラム

 プールを介して感染することが多く、アデノウイルスによる感染症である病気、プール熱。夏に多く見られ、子どもに感染することが多い病気です。ここでは、プール熱の症状や予防法を紹介しています。

プール熱とは

 プール熱とは、別名咽頭結膜熱と呼ばれます。「アデノウイルス」というウイルスが原因で、プールの水を介してヒトからヒトへ感染することが多いのでプール熱と呼ばれます。一年中発症する人はいますが、主に6月末頃から流行が始まります。

プール熱の症状

 プール熱の潜伏期間は2日〜14日と言われています。主な症状として、のどの痛み、結膜炎、目の充血、39℃前後の発熱、頭痛、食欲不振、涙が増える、眩しくなるなどの症状があります。一見風邪に似ていますが、目の充血や炎上、眩しくなるなどの症状が特徴的です。

プール熱の予防法

 プール熱は、咳やくしゃみの飛沫から感染する飛沫感染と、目やにがタオルや手に付着し感染する接触感染があります。消毒を怠っているプールでも感染します。そのため感染予防は、やはり手洗いうがいやマスクが有効になります。
 赤ちゃんが感染した場合、便から30日間ウイルスが排出されるためおむつなどの交換には注意が必要です。手指を介して感染につながるため、おむつ交換後は流水・石けんで手洗いをすることが大切です。目やにが感染源にもなるので、使い捨てのティッシュなどでふき取り、タオルやハンカチを使う場合は家族と別のものを使い、共有しないようにしましょう。
 また、目やにや唾液が付着したタオルを同じ洗濯機で洗うと感染する恐れがあるので、感染者と分けて選択することも大切です。また、にも感染者の入浴も最後にし、接触感染しないように注意しましょう。

消毒にはエタノールや塩素系が有効

 家庭内感染を防ぐためには、ドアノブや手すり、おもちゃや日用品などの消毒が必要です。使う消毒液は、濃度200ppm(0.02%)の塩素系次亜塩素酸ナトリウム消毒液や、エタノールが良いでしょう。塩素系次亜塩素酸ナトリウム消毒液は金属を腐食させるため、金属部分に使用する場合は、10分あとに水拭きしてください。布類も色落ちや生地を傷めるため、注意しましょう。塩素系次亜塩素酸ナトリウム消毒液は、ハイター、ブリーチなどを使うと簡単につくることも可能です。

大人はあまり感染しない

 プール熱の特徴として、大人が感染することは稀です。しかし絶対感染しないということはないので、感染予防が必要です。大人の場合プール熱に感染しても、インフルエンザのように仕事を休まなければならないということはありません。しかし高熱が出ることもあるため、症状が治るまで安静にすることが好ましいです。プール熱は症状が回復しても、喉からは1~2週間、便からは1か月程度ウイルスが排出されるため、トイレを流すときは蓋をしてから流すなど、周りに感染させない配慮が必要です。

治療法

 プール熱のもととなるアデノウイルスには、特効薬がありません。そのため、対症治療が必要です。結膜炎や目の充血がある場合は眼科で治療しましょう。また、水分補給や栄養を摂ることも早期完治に繋がります。喉の痛みや食欲不振で脱水になることもあるので、こまめに水分を摂取しましょう。消化の良いプリンやゼリー、アイス、お粥などが最適です。ヨーグルトなどの乳製品は、頭痛を引き起こすため控えた方が良いでしょう。

まとめ

 ここまで、プール熱の症状や感染経路、予防法、治療法を紹介してきました。子どもが主に感染しやすい病気ですが、子どもが感染したその親も感染する可能性があるため、十分に注意が必要です。手洗いやうがいなどの基本的なことから、エタノールでの消毒、タオルを共有しないなど、なるべく感染経路を断ち、健康に過ごしたいですね。

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