人間ドックでの「メタボリックシンドローム検査」って?

コラム

「メタボ」という言葉をよく耳にします。
肥満の意味で使われるメタボは正式には「メタボリックシンドローム」と言って、肥満体形になることで糖尿病や高血圧など、さまざまな病気を引き起こしやすくなっている状態を指します。
腹囲測定は人間ドックで必須項目になっていますが、実際、メタボの程度について知るには詳しく検査する必要があります。
しかし、中にはこの検査を受けられない人もいることをご存知でしょうか?

メタボリックシンドロームとは?

体に脂肪がたっぷりつくと、糖尿病や高血圧、脳梗塞や心筋梗塞、くも膜下出血などのリスクが高まります。だから「メタボには注意」と言われるようになったのです。

メタボリックシンドロームは、主におなかまわりに脂肪がつくことで引き起こされます。
おなかまわりの脂肪は「内臓脂肪型」と「皮下脂肪型」の2種類あり、内臓脂肪型は男性に、皮下脂肪型は女性に多く見られます。そして、メタボリックシンドロームを引き起こすと言われるのは、内臓脂肪の方です。

ただし、脂肪がついただけではメタボリックシンドロームとは言いません。
脂肪がついていることに加え、「高血糖」「高血圧」「脂質異常」の3つのうち、2つ以上が当てはまる場合に「メタボリックシンドロームである」という診断になります。

■ メタボの基準

実際にメタボかどうかは、CTでスキャンしなくてはわかりませんが、どの病院にあるものでもありません。そのため、最初の検査は腹囲の測定で行われます。

日本のメタボの基準は、男性85cm、女性90cm。
内臓の脂肪面積が100平方cmを超えると病気のリスクが高まることから、100平方cmに相当するウエストサイズを割り出したところ、男性が84.4cm、女性が92.5cmという結果になったので、男性85cm、女性90cmとなりました。
この数値は日本独自の基準で、WHOの基準では、男性は84cm、女性80cmとなっています。これは内臓脂肪の量ではなく、MBI値やウエスト/ヒップ比率から割り出したためです。

■ メタボ検査の内容と制限など


実際にメタボリックシンドロームかどうかは、CTを使った内臓脂肪測定によって調べることができます。検査時間は5分程度です。

CTとはComputed Tomographyの略で、X線を使って身体の断面を撮影する検査です。人体に対して多方向からX線を投射して、X線の透過データから人体の横断面を再構成します。

腹部をCTでスキャンすることで、内臓脂肪面積や皮下脂肪面積を画像で確認します。
病院によりますが、設備があればオプションで申し込むことが可能です。

ただし妊娠している女性はCTでの検査は受けることができません。
CTは体にX腺を照射するもの。X線は胎児に影響を与えるので、妊娠中の女性はもちろん妊娠の可能性がある場合にもメタボ検査を受けるのはやめておきましょう。

CTによる画像診断は、ついている脂肪の状態や量を正確に把握できるため、メタボリックシンドロームの疑いがある際は受けることをおすすめします。 メタボリックシンドロームを放置しておくと、病気のリスクが高まります。自分の体のことを正しく知ることが大切です。

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