全身ドックの主な検査内容とは? どんな病気がわかるのか

コラム

全身ドックの主な検査内容とは? どんな病気がわかるのか健康状態に全く問題がなく、身体のどこにも痛みや不快感がない状態は理想ですが、一方で「一病息災」という言葉があります。これは「ひとつ持病がある方が常に健康を意識するので長生きする」という意味です。
悪性新生物や糖尿病、腎臓病などの早期発見が重要とされる病気の罹患率はどんどん高くなっています。1年に1度の健康診断では見逃す確率が高いので、できれば定期的に人間ドックの「全身ドック」で全身のチェックを行うことをおすすめします。

全身ドックの主な検査項目と分かること

全身ドックの主な検査内容とは? どんな病気がわかるのか
・全身ドックの検査項目は多岐に渡る 全身を検査対象とする全身ドックでは選べる項目が幅広いので、基礎的な項目を医師と相談の上で選定する必要があります。
脳疾患を見つけるための項目として頭部MRI、頭部MRA、頸部MRAなど。脊髄疾患を見つけるための項目としては頸部MR、腰椎MRI、頚椎X-Pなど。肺疾患は胸部CT、呼吸機能検査、喀痰細胞診など。消化管は内視鏡検査、ピロリ菌検査などで、そのほか尿検査と血液検査などで主要な病気の有無を確認できます。
特定の気になる部位がない方に適したコースだと言えるでしょう。

・全身ドックの検査で分かることとは
脳や心臓、肺、肝臓、腎臓といった主要な臓器から子宮、卵巣、男性では前立腺などの病変の有無も調査対象です。
病名としては以下のような病名が挙げられます。
・脳梗塞・脳出血・悪性新生物各種・ヘルニア・前立腺肥大症・前立腺炎・心筋梗塞・心不全・ポリープ・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・炎症性疾患など。
このほか、脊柱管狭窄症や腎臓病、各種感染症も発見可能です。

なぜ人間ドックが必要なのか

・人間ドックと健康診断の違い
人間ドックと健康診断の第一の違いは検査項目の内容であり、また、保健機関での取り扱いや、医療費控除の扱いにあります。
健康診断の検査項目は極めて限定的であり、あくまで「健康であることを確認する」だけのものに過ぎません。検査項目はわずか30程度で、最低限の内容にとどまります。これに対して人間ドックの検査項目は数百におよぶ検査内容から選べるので、パターンはほぼ無限と言っていいでしょう。
個人個人に合わせて必要な要素を見極めれば、超初期がんなども発見可能です。病気の自覚がなかった方に腎臓病や肝硬変などが見つかるケースも少なくありません。

・部位別ドックと全身ドックの違い
人間ドックの中でもコースによって内容が異なります。脳ドックや心臓ドック、がんドックなどの目標を限定したものがあるかと思えば、今回ご紹介したような全身ドックのような幅があるのです。
部位別人間ドックは健康診断の一次検査や二次検査でリスクを指摘されたことがある方や、家系の中で特定の臓器に問題を抱える割合が高い方など、調べるべき範囲がある程度判明している方にとって、非常に効率のよいコースと言えるでしょう。
逆に特に病気の既往歴がなく、どの部位で病気にかかる可能性が高いのか分からない方には、範囲を限定しない総合的な全身ドックがおすすめというわけです。

全身ドックは部位別ドックで見逃してしまう病気を発見できる可能性があります。部位別ドックでは範囲を限定することで、対象となる部位に対して多角的な分析ができるので、全身ドックで見逃す可能性がある超初期の病変を見つけられる可能性があります。
人間ドックを受診する際にもそれぞれコースの特性をよく認識して選ぶようにしてください。

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