妊娠中の感染症がもたらす胎児への影響と検査の必要性

コラム

妊娠中の感染症がもたらす胎児への影響と検査の必要性性別によってリスクがある病気、症状の種類は多少異なってきますが、女性の中でも特に妊娠している場合には通常とは違う危険が伴います。
しかし、不用意に病院を受診してしまえば胎児に影響がおよぶ可能性がありますから、妊娠期間中のリスクと対応をしっかり把握しておくようにしましょう。
これから妊娠を予定している女性とそのパートナーにはこうした準備が必要です。ぜひ参考になさってください。

妊娠中のリスクと検査の必要性

・妊娠中の女性が備えるべきリスク
妊娠中の女性は通常よりも外部からの刺激に弱く、感染症を起こしやすくなります。ごく一般的な風邪ひとつをとっても市販薬を使えないためにかなりの負担になるでしょう。
また、胎内感染する可能性がある病気に感染してしまうと子供の発達に支障をきたすケースが多く、母子ともに危険な状態になりかねません。
多くは血液検査で感染の有無を調べられますから、定期的な検査と医師への相談を行っていただきたいと思います。

・検査の必要性の判断
女性特有の症状を調べるには婦人科検診と妊産婦検診が対応しています。平常の女性向けには画像診断が必ず盛り込まれ、病気がある方であれば病変部位の特定まで一連の検査で目指しますが、妊娠中には必ずしもそのように行きません。
というのも、妊娠中には基本として放射線を使用する画像診断を避けるべきだからです。
それでも、例えば結核などの感染が確認されたとすれば胸部レントゲン撮影が実施されます。妊娠への影響を考慮してなおその検査が必要と判断される時には、通常は除外される検査も取り入れなければならないわけです。

妊娠中の感染症リスクと検査項目

妊娠中の感染症がもたらす胎児への影響と検査の必要性
・妊娠中にリスクある感染症
厚生労働省の指導によると、妊娠中に重大なリスクをもたらす感染症の種類は以下の8種類です。
・B型肝炎ウィルス
・C型肝炎ウィルス
・ヒト免疫不全ウィルス(HIV)
・ヒトT細胞白血病ウィルス-1型(HTLV-1)
・風疹ウィルス
・性器クラミジア
・梅毒
・B群溶血性レンサ球菌(GBS)
いずれも母子感染で胎児に影響をもたらす上、治療が難しい病気です。生まれてきた赤ちゃんに重症感染症が発生するほか、母体には不妊症などを引き起こす可能性があります。

・妊娠前と産後は人間ドックへ
妊婦検診は居住する市町村で受診できます。妊婦検診は基本的な健康チェックと超音波検査、これに胎児の成長と母体の変化のバランスを見守る腹囲測定などを合わせたコースです。主な感染症や遺伝的な要因は健康チェックの範囲内で行われます。
妊娠期間中は妊婦検診で十分にカバーされますが、妊娠が確認される前と産後の母体は自分でケアするしかありません。妊娠してから感染症が発覚したのでは手遅れの可能性もあるので、妊娠する前と産後には既往症や後遺症のチェックに人間ドックの受診をおすすめします。
女性の健康状態を確認するための検査項目としては、人間ドックでは乳がん検診、性感染症検査、血糖値や腎機能検査、甲状腺機能検査などが必要です。

乳がん検診の項目のひとつに設定されているマンモグラフィーやMRI検査は妊娠中に受けられないため、妊娠期間中にがん細胞が発生していた場合には進行して発見される可能性も。産後にはなるべく早くこうした検査を受けるようにしましょう。
子宮頸がんの婦人科細胞診もあわせて受診しておいていただきたいところです。

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