身体がフォアグラ状態になる「脂肪肝」対策は人間ドックへ!
成人病とも呼ばれる「生活習慣病」にはさまざまな病名があります。しかし、原因や成り立ちに目を向ければ共通点が多く、また、別個の病気のように見えていながら連動しているケースが少なくありません。
例えば、日本人に多いといわれる「脂肪肝」もそのひとつ。
近年になって「脂肪肝」から進行して発生する病気などが解明され、リスクが指摘されるようになりました。なぜ起こるのか、どうやって気づけばいいのかご紹介しますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
脂肪肝とはどんな病気?
●「脂肪肝」では体がフォアグラのようになる
「脂肪肝」という病気ではその名の通り、肝臓に脂肪が溜まって肝機能が低下します。
結果として、易疲労、意識レベルの低下、肩こり、その他血管障害や心筋梗塞などのリスクが高まるのです。また、肝硬変や肝細胞がんへ進展するケースも多く、命を脅かす疾患であると注意喚起されています。
●「脂肪肝」の原因と予防
摂取した脂質を代謝しきれなくなった時に中性脂肪が肝臓に蓄積されます。脂質の過剰摂取やアルコールの摂取が「脂肪肝」の原因になるほか、肥満やダイエットによる肝機能低下もリスクを高めるでしょう。
「非アルコール性脂肪肝(NAFLD)」は飲酒による「脂肪肝」よりも危険だとされています。
予防のためには適度なカロリー、栄養バランス、運動などを心掛け、過剰な飲酒を避ける努力が必要です。
どうしても脂質の多い食品を我慢できない場合やアルコールへの欲求が強すぎる場合は、「食べていい日」「飲んでいい日」を設けて過剰にならない程度に発散することをおすすめします。
脂肪肝に気づくために
●「脂肪肝」の検査
肝機能測定には以下の検査項目を実施します。病院で「肝機能を調べたい」と相談した際に提案される基礎的な内容です。
■血液検査
肝機能レベルは血液検査に如実に現れます。肝細胞内の酵素「ALT(GTP)」「AST(GOT)」「γ-GTP」の数値が基準値に収まっていれば正常。基準値から逸脱していると脂肪肝の恐れがあります。
■腹部超音波検査
超音波画像診断で肝臓の状態を視診します。この画像診断では脂肪肝の色が浮き上がって見えるため、発見しやすい検査項目です。
■腹部CT検査
エックス線による断層撮影で肝臓の脂肪蓄積レベルを視診します。
■MRI検査
磁気断層画像診断のことです。超音波検査、CT検査と同様に肝臓の脂肪レベルを診断します。これらの画像診断はがん細胞の発見にも役立つので、総合的な人間ドックの受診を希望する際にはいずれかを盛り込むといいでしょう。
■検体検査
肝臓の場合は「肝生検」となります。肝臓に針を刺して細胞を採取し、顕微鏡にかけて脂肪の割合を判定する検査です。
「脂肪肝」の対策は人間ドックがおすすめ
治療が必要なレベルの「脂肪肝」を発症している場合、検査は必ず「肝生検」まで行います。この段階では検査入院が必要になるので、それぞれ個別に検査を依頼するよりコースで組み合わせるほうが効率的です。
人間ドックは目的や個人の体質に合わせて自由に検査項目を選べる唯一のシステムです。「脂肪肝」が確認されてそのまま治療に進めば検査そのものも医療費控除の対象になるなど、多くのメリットがあります。
疲れやすさや体力の低下など、健康面の不安がある方はぜひ一度医師に相談してみてください。予想もしなかった病気リスクを指摘される可能性もありますが、それもまた健康に向かうためのひとつのステップになるはずです。