甲状腺の病気の早期発見には人間ドックが欠かせない?

コラム

甲状腺の病気の早期発見には人間ドックが欠かせない?甲状腺の病気に関する男女割合は、圧倒的に女性の比率が高いといわれています。病気の種類によっては男女比1対10という偏りが見られるのだとか。それにも関わらず、甲状腺機能異常症について十分な知識が普及しているとは言い難い状況です。
ハイリスクとされる女性でも、甲状腺の形状や位置を正確に知っている方がどれほどいらっしゃるでしょうか。

「甲状腺異常症」と総称する病気には多くの種類があり、中には男性にも女性同様のリスクが確認されているものもあります。甲状腺の病気が疑われる際に受けるべき検査項目などについてご紹介しますので、女性だけでなく男性の方にも、ぜひご参考になさっていただきたいと思います。

甲状腺の病気に気づくための基礎知識

・甲状腺とは?
甲状腺とは、のどぼとけの下側で、脛骨を取り巻くようにして前面についている内分泌器官です。役割は脳下垂体からの指令によって甲状腺ホルモンを分泌し、体の代謝を促進したり緩和したりしています。この器官に起こる病気は、主なものだけでも「単純性びまん性甲状腺腫」「バセドウ病」「橋本病」「亜急性甲状腺炎」「腫瘍性疾患」などがあります。

・甲状腺機能異常症について
甲状腺機能異常症は「亢進症」と「低下症」の2種類に大別できます。甲状腺ホルモンが分泌過剰になった場合が甲状腺機能亢進症。分泌不足になった場合が甲状腺機能低下症です。
ホルモン物質は生命活動を操作する重要な役割を担っています。その分泌量が適正値から逸脱すれば、過剰であっても過小であっても身体に異常が現れるわけです。

甲状腺の病気が疑われる時には

甲状腺の病気の早期発見には人間ドックが欠かせない?
・各種検査を受けよう
甲状腺機能異常症は自覚より先に病院の検査で発覚するケースが少なくありません。どんな病気にもいえることですが、早期発見、早期治療以上に患者様本人の負担を減らす方法はないでしょう。
甲状腺の異常を調べるには、触診、超音波検査、穿刺吸引細胞診、スクリーニング(血液検査)などを行います。

・甲状腺ホルモンのスクリーニングについて
甲状腺をターゲットとしたスクリーニングでは、「遊離サイロキシン(free T-4)」と「高感度甲状腺刺激ホルモン(TSH)」を測定して甲状腺の機能状態を調べます。
free T-4が上昇、かつTSHが低下していれば甲状腺機能亢進症。free T-4が低下、かつTSHが上昇していれば甲状腺機能低下症です。

・人間ドックで甲状腺をチェックする
健康診断では検査項目自体が少なく、人間ドックのように精密な検査が行われません。そのため、健康診断だけを定期的に受けていては病気の早期発見につながらないことも珍しくないのです。これを予防するには、人間ドックで定期的に体の変化を観察し、病気の可能性を予測する方法がおすすめです。人間ドックは異常が見つかれば即座に細胞診まで受けられますので、治療への最短ルートとなります。通常の定期検診では超音波検査や細胞診は範囲に含まれませんので、不安がある方はぜひ人間ドックの受診を検討してみてください。

人間ドックでは甲状腺ホルモン測定以外にも必要な検査項目を組み合わせられます。超音波検査など人間ドックならではの有益な検査項目が多数ありますので、まずは医師に相談してみてはいかがでしょうか。

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