ホルモン検査で「心疾患」が分かる!? 心臓ドックに組み入れたい項目
ホルモン検査の項目の中には「心疾患」が分かるものがあります。心臓の各種病気は日本人の死因第2位を記録したリスクの高い病気領域です。
最新データである2015年の統計によると、日本人の心疾患による死亡数の割合は第一位の「悪性新生物」28.7%に次いで「心疾患」15.2%でした。第三位の「肺炎」は9.4%。悪性新生物による死亡者数が群を抜いて多いとはいえ、日本人にとって心疾患がいかにハイリスクなものであるかをご理解いただけたのではないでしょうか。
ホルモン検査で分かる心疾患の基礎知識
・心疾患の種類 心臓にはさまざまな病気が起こります。主なものだけでも「心筋梗塞」「狭心症」「不整脈」「心不全」「心臓弁膜症」「大動脈瘤」「心筋症」「心臓肥大」「心房中隔欠損症」などがあります。いずれも血流に異常が起こる病気で、非常に危険です。
・「心疾患になった」その時の備え
心臓は常に動き続けている臓器であるため、手術が必要なほど病気が重篤になると治療そのものに命の危険が伴うようになるでしょう。心疾患は予防と早期発見、早期治療開始が延命のために欠かせません。なお、治療が必要になったとしたら医療費が高額になる可能性が高く、さらには収入が途絶えるなどの影響が考えられます。高額医療費の補助制度や、3大疾患を対象とした保険の加入などを検討しておくことをおすすめします。
心疾患の検査
・受けるべき検査項目
心疾患の発見に有意義な検査は運動負荷心電図、ホルター心電図、心臓超音波検査、胸部CT検査、胸部MRI検査、心臓カテーテル検査などが一般的ですが、ANPおよびBNPの測定によって調べる方法もあります。
・ANPおよびBNP検査
心臓はただ血液を送り出すだけの機関ではありません。心房内でもホルモン物質を生成しており、その濃度によって心不全の重症度などを判定できるのです。
ANPは心房性ナトリウム利尿ペプチドのこと。BNPは脳性ナトリウム利尿ペプチドのことで、いずれも心臓から血液中に送り出されます。これらのホルモン値が高値の場合、「うっ血性心不全」が疑われます。
・心疾患の発見と治療には人間ドックを
健康診断でも心電図の項目は基本的に行われますが、一度に大勢が検査を受診するためにひとりひとりへの割り当て時間はどうしても制限されてしまいます。心疾患は短時間の心電図検査では見逃してしまう恐れがあるため、確実に発見するには個別に病院を受診することをおすすめします。その際には検査項目をひとつひとつ単独で利用するより、必要な分だけ検査項目を組み合わせられる人間ドックが便利です。
体への負担が少ない検査の種類や費用などは要望に応じて調整できますので、ぜひ医師に相談してみてください。
健康診断では選べない検査項目が、人間ドックならば自由に組み合わせられます。2年から1年に1回の頻度で体の変化を見守れば病気リスクをかなり下げられるはずです。まだ人間ドックを経験したことがないという方は、まず1度体験してみてはいかがでしょうか。