診断が難しい「アルツハイマー」にはどんな検査が有効?

コラム

診断が難しい「アルツハイマー」にはどんな検査が有効?「アルツハイマー」は老人性認知症とは異なる病気です。そのため、アルツハイマーに起因する認知症は「アルツハイマー型認知症」という病名が付きます。
「アルツハイマー」とはどんな病気なのでしょうか? また、診断にはどんな検査が有効なのでしょうか?

アルツハイマーについて

・アルツハイマーはこんな病気
アルツハイマーは認知症の一種です。いまだ原因は定かではありませんが、脳細胞の中に「アミロイド斑」と呼ばれるタンパク質の塊が多数発生するとともに脳細胞をつなぐ神経回路が途絶していき、やがて脳の萎縮と命を維持するための機能喪失で死に至ります。

・診断が難しい理由とは
認知症の多くは60代以降に起こります。しかし近年60歳未満で発症する「若年性認知症(アルツハイマー)」について知られるようになり、若い方にとっても無縁とは言えない病気として知られるようになりました。予防や治療は現在でも困難とされています。その理由は、患者の生存している間には確定診断ができないからです。

脳が変性してしまう病気にはさまざまな種類があります。頭部を切開して脳を解析するわけにいかないのですから、記憶スクリーニングなどの検査を通して「きわめてアルツハイマー型認知症の可能性が高い」という判定しかできません。

アルツハイマーの診断

・「PET/CT検査」が有効?
アルツハイマー型認知症の診断は、日常生活に関連する機能を調べる「記憶スクリーニング検査」「マルチスライスCT検査」「MRI検査」「血液検査」「尿検査」などを通して行われます。
また、早期発見のためには「PET/CT検査」が有効です。
「PET/CT検査」とは、体内でブドウ糖と似た動きをする放射性同位体の薬剤を利用して組織の状態を調べる高度な画像検査のことです。

・アルツハイマーのチェックは人間ドックへ
アルツハイマー型認知症で脳の変性が起こってしまうと、失われた組織は回復しません。治療は進行をいかに緩やかにするかが課題となるでしょう。

大切なことは早期発見です。あらゆる検査の中でも特にアルツハイマー型認知症の早期発見に有効と考えられる「PET/CT検査」は、単独で受診するよりもほかの検査と組み合わせたほうがより効果的です。また人間ドックで利用したほうが経済的でもあります。
最終的には患者本人の負担軽減にもつながりますので、アルツハイマー型認知症の危険性がある方にはぜひ人間ドックの受診を検討していただきたいと思います。

診断が難しい「アルツハイマー」にはどんな検査が有効?
特定の病気を気にする方が人間ドックで別の疾患を発見するケースも少なくありません。日本人のがんリスクが高くなってきた現在では、全身の転移性がんにも有益なPET/CT検査は非常に価値がある項目と言えるでしょう。
ぜひ定期的な人間ドックの受診で健康状態をチェックしていただきたいと思います。

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