内臓の種類。「胆」って何?どうやって健康状態を調べるのか
鼻、口、のどのように身体の外側に面している器官も臓器です。これは言うまでもないですが、身体の内側にある器官も臓器。これらが正しく連動して初めて、人体は健常な生命活動を維持しています。 しかし、見えないパーツの状態は意識しにくいものです。重要だからこそ身体の内側に位置する「内臓」が病気になっていないかどうかを、人は自分のことでありながらなかなか自覚できません。特に、存在感の薄い臓器についてはチェックすら怠ってしまいがちです。
比較的知名度が低い「胆」という臓器についてご紹介します。健康に自信がある方も、ぜひ自分にも関係がある話と考えて目を通していただきたいと思います。
「胆」は肝臓につながる臓器、その役割とは
「胆嚢」「胆管」そして「肝臓」
胆嚢、胆管という器官があります。これは肝臓の下側に連続しており、肝臓内部の肝管が肝臓から出て胆管となり、次に胆嚢、さらに次にすい臓と続き、胆汁やすい液を腸管に供給しています。
「胆嚢」「胆管」の役割
肝臓は毒素の分解や胆汁の生成、造血、血液供給量の調整、血液凝固作用物質の生成、栄養素の貯蔵、生体防御作用などを担う重要な器官です。食物の消化吸収に不可欠な胆汁は胆嚢でいったん濃縮貯留され、必要に応じて腸へと放出されるのです。
この胆管、胆嚢を合わせて「胆道」と呼びます。
「胆嚢」「胆管」の状態を確認する検査
CTスキャンで「胆嚢」「胆管」を見る
胆嚢、胆管において最も深刻な事態は「閉塞」です。胆道閉塞が起こると胆汁が排出されなくなり、肝臓に重大なダメージを与えます。命にかかわる可能性があるので、まずは閉塞させないこと、閉塞していれば早期に処置することが大切です。
胆道の状態を確認する検査としては立体画像検査が有効で、治療までのステップにおすすめなのが「CTスキャン」です。エックス線による断層画像を連続的に撮影して臓器の立体的な位置関係を理解できる検査で、胆嚢、胆管を視覚的に診断できるので医療現場で重宝されています。
胆管が細くなっていないか、結石が生じていないかどうかを素早く診断できます。類似する画像診断の方法にMRI検査という方法がありますが、CTスキャンは検査そのものの所要時間が短いところが特徴です。1日で検査項目をなるべく多く受けたい、閉所恐怖症などの理由から少しでも検査ひとつひとつの時間を短縮したいという方は、こちらを選ぶことをおすすめします。
高度な検査は人間ドックで組み合わせよう
一般検診でCTスキャンが盛りこまれないのは高度な検査だからです。検査の確実性が高い反面、単独で受診するとそれだけで2万円程度、造影剤を併用する造影CTだと3万円以上、血管まで詳細に写そうとすれば4万円以上の費用になってしまいます。
そこで、他の血液検査や尿検査などさまざまな検査を一度に受けられる「人間ドック」をおすすめします。単独の費用を合計した額面よりも、人間ドックはかなり安くなりますし、待ち時間や通院の負担も軽減できるので、まだ利用したことがないという方はぜひ一度医師に相談してみてください。
人間ドックでは一般になじみがない検査項目もよく実施されます。どんな検査があって、どんな組み合わせならば身体への負担が少なくなるのか。費用が高くなる組み合わせ、安くなる組み合わせ、診断の精度が高い検査項目はどれなのか、お気軽に尋ねてみていただきたいと思います。